薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ティーエスワン(S-1)の注意点

ティーエスワン(S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)はピリミジン代謝拮抗薬に分類される抗悪性腫瘍薬です。 作用機序などについてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 服用は食後 腎障害のある患者への投与量 併用禁忌薬 併用注意…

ティーエスワン(S-1)の作用機序

ティーエスワン(S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)はピリミジン代謝拮抗薬に分類される抗悪性腫瘍薬です。 適応症 用法用量 作用機序 テガフール ギメラシル オテラシルカリウム 適応症 胃癌、結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手…

抗がん薬の種類

近年、抗がん薬は様々な作用機序をもつものが次々と登場しています。 従来からの抗がん薬もキードラックとして依然使用されており、治療の選択が大きく増えています。 抗がん薬は主に以下の4種類に大きく分類することができます。 ・殺細胞性抗がん薬 ・分…

ケイツーシロップの飲み方

ケイツーシロップはビタミンK2シロップであり、ビタミンK2の補給で使用されます。 適応症 用法用量 ビタミンKの働き 新生児に投与する理由 ケイツーシロップの飲ませ方 使用上の注意 適応症 ・新生児出血症及び新生児低プロトロンビン血症の治療 ・新生児…

セフトリアキソン(ロセフィン)注のフラッシュについて

セフトリアキソン(ロセフィン)は注射用第三世代セフェム系抗菌薬です。 静脈内注射 注射用水、生理食塩液、ブドウ糖液に溶解し、緩徐に投与 点滴静注 生理食塩液、ブドウ糖液に溶解して投与 (注射用水は溶液が等張にならないため使用できません。バッグ品…

薬剤師 人間関係に悩んでいる場合の対処法

職場での人間関係に悩んでいる方へ向けてです。 薬剤師の職場は閉ざされた場所になりがちですので、人間関係に悩むと大きなストレスとなり働く上で障害となります。 陰口を言われる、露骨に嫌な態度を取る、嫌な仕事を押しつけてくる、といったことをしてく…

トポイソメラーゼ阻害薬の作用機序

トポイソメラーゼ阻害薬はDNA複製に関与しているトポイソメラーゼという酵素を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。 トポイソメラーゼとは 細胞中のDNAは、2本の鎖がらせん状にからみあう構造で存在しています。 細胞分裂時、DNAが複製さ…

葉酸代謝拮抗薬の作用機序

葉酸代謝拮抗薬は、葉酸を代謝する酵素を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 葉酸の働き 葉酸はDNA合成に必要な補酵素です。 葉酸は細胞内でジヒドロ葉酸となり、さらにジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR:dihydrofo…

レボホリナート(アイソボリン)の作用機序

レボホリナート(l-LV)は活性型葉酸製剤であり、フルオロウラシル(5-FU)の作用増強に使用される薬剤です。 適応症 ・ レボホリナート・フルオロウラシル療法 胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強 ・…

デュタステリド(アボルブ)服用の注意点

デュタステリド(アボルブ)は前立腺肥大症治療薬であり、5α還元酵素阻害薬に分類されます。 アボルブの作用機序についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 今回はデュタステリド服用の注意点についてです。 ・カプセルを噛んだり開けたりせずに服…

ニューキノロン1(NK1)受容体拮抗薬の作用機序

ニューキノロン1(NK1)受容体拮抗薬は、抗がん剤による嘔吐に使用される制吐剤です。 悪心の発生機序 悪心や嘔吐は嘔吐中枢(VC:vomiting center)が刺激されると起こります。 以前にも述べましたが、中枢性のものと末梢性のものがあります。 yakuzai…

5-HT3受容体拮抗制吐薬の作用機序

セロトニン5-HT3受容体拮抗制吐薬は抗がん剤や放射線治療による吐き気に対して使用するお薬です。 悪心の発生機序 抗がん剤による嘔吐 5-HT3受容体拮抗制吐薬の作用機序 5-TH3受容体拮抗薬の種類 悪心の発生機序 悪心や嘔吐は嘔吐中枢(VC:vomit…

【なれて良かった】薬剤師という職業の素晴らしさ

私が感じている薬剤師という職業の魅力についてです。 とても魅力のある職業であるのに、なぜか卑下するようなことを言われる薬剤師がいます。 新しい薬の情報を覚えて、日々勉強をされているのに「薬剤師なんて薬を渡すだけだし」、「大した権限もなく、影…

ラコサミド(ビムパット)の作用機序

ラコサミド(ビムパット)は新世代抗てんかん薬です。 適応症 用法用量 成人 小児 作用機序 副作用 腎機能障害のある患者 肝機能障害のある患者 適応症 てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む) yakuzaishi-info.hateblo.jp 用法用量 成人 1日1…

【即・行動】ブラックな 職場 薬局 で辞めたいなら、すぐ辞めましょう

もしあなたがブラックな職場で働いているなら、すぐに辞めましょう。 どんなに優秀な人でもブラックな職場では忙殺されて力が発揮できない 仕事はいくらでもある 辞めるのは簡単です あなたが我慢するとブラックな職場が続いてしまう 患者さんのためにも、も…

パリペリドン(インヴェガ)の作用機序、リスペリドン(リスパダール)との違い

パリペリドン(インヴェガ)は、SDA(セロトニン・ドパミン拮抗薬)に分類される抗精神病薬です。 適応症 用法用量 作用機序 リスペリドン(リスパダール)との違い ・リスペリドンの代謝活性物 ・OROSの採用 ・食事の影響 腎機能低下患者への投与 適…

炭酸リチウム(リーマス)のリチウム中毒について

炭酸リチウム(リーマス)は躁病・躁状態治療剤として使用されているお薬です。 適応症 用法用量 作用機序 禁忌 リチウム中毒について 血中濃度の測定 適応症 躁病および躁うつ病の躁状態 用法用量 通常1日400〜600mgより開始し、1日2〜3回に分割投与。 …

ミロガバリン(タリージェ)の用量、プレガバリン(リリカ)との違い

ミロガバリン(タリージェ)は末梢性神経障害性疼痛治療剤です。 適応症 末梢性神経障害性疼痛 用法用量 初期用量1回5mgを1日2回 その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回投与する なお、年齢、症状により1…

シクレスト(アセナピン) 作用機序、舌下投与の理由と注意点

シクレスト(一般名:アセナピン)は、多元受容体作用抗神経薬(MARTA)に分類される統合失調症治療薬です。 適応症 用法用量 作用機序 他のMARTAとの比較 舌下投与の理由 使用方法 適応症 統合失調症 用法用量 1回5mgを1日2回 舌下投与から…

薬剤師業界の将来が不安な方へ

皆さんは薬剤師業界全体の将来についてどうお考えですか? 今回は調剤薬局業界の将来について私見を述べたいと思います。 完全に私個人の意見ですので、その点だけを踏まえてよろしければ読んでみてください。 結論から言いますと、私は薬剤師を続けて困るよ…

ブレクスピプラゾール(レキサルティ)の作用機序、アリピプラゾール(エビリファイ)との違い

ブレクスピプラゾール(レキサルティ)は統合失調症の治療に使用される抗精神病薬です。 適応症 用法用量 作用機序 アリピプラゾール(エビリファイ)との違い 適応症 統合失調症 用法用量 1日1回1mgから投与を開始した後、4日以上の間隔をあけて増量し、…

微小管阻害薬の作用機序 種類

微小管阻害薬は細胞分裂に重要な役割を果たしている微小管に作用して抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。 微小管阻害薬の作用機序 微小管阻害薬の種類 ビンカアルカロイド系 タキサン系 その他 微小管阻害薬の作用機序 微小管は細胞中に存在しており、主にチュブ…

白金製剤の作用機序 種類

白金製剤は、構造中に白金(Pt)を含んでおり、DNA合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。 白金製剤の作用機序 白金製剤の種類 白金製剤の作用機序 白金製剤は構造中に白金(Pt)を含んでいます。 このPtがDNAの塩基に共有結合して、架橋…

アルキル化薬の作用機序、種類

アルキル化薬は、DNAをアルキル化することでDNA複製を傷害し、細胞死を起こす薬剤です。 アルキル化薬の作用機序 アルキル化薬の種類 アルキル化薬の作用機序 アルキル化薬は第一次世界大戦中に化学兵器として使用されたマスタードガスの構造に由来し…

カペシタビン(ゼローダ)の作用機序 手足症候群と対策

カペシタビン(ゼローダ)はフッ化ピリミジン代謝拮抗薬に分類される、抗悪性腫瘍薬です。 用法や投与量についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 作用機序 手足症候群(HFS:Hand-foot syndrome) 好発部位 発現機序 症状 対処法 予防法 作用…

カペシタビン(ゼローダ)の用法、投与量、減量基準

カペシタビン(ゼローダ)はフッ化ピリミジン代謝拮抗薬に分類される、抗悪性腫瘍薬です。 適応症 用法用量 休薬、減量について 腎機能に応じた用量調節 食事の影響 代表的なレジメン 適応症 ・手術不能又は再発乳がん ・結腸・直腸がん ・胃がん 用法用量 …

フルオロウラシル(5-FU)の作用機序

フルオロウラシル(5-FU)はフッ化ピリミジン系代謝拮抗薬です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp フルオロウラシルは内服薬も発売されていましたが、現在終了し注射薬のみになっています。(軟膏もあります) 作用機序 適応 代表的なレジメン 作用機序 フル…

オメプラゾール(オメプラール)注 使用する際のフラッシュについて

オメプラゾール(オメプラール)注はPPI(プロトンポンプインヒビター)の注射薬です。 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などによる出血から、経口摂取が不可能な患者に対して高い止血効果が認められている薬剤です。 適応症 ・経口投与不可能な下記の疾患:出血を伴…

代謝拮抗薬について

代謝拮抗薬(Antimetabolite)は、代謝の過程で生成される代謝物の利用を阻害、拮抗する薬剤です。 代謝拮抗薬の作用 代謝拮抗薬の種類 代謝拮抗薬の作用機序 ピリミジン代謝拮抗薬 プリン代謝拮抗薬 葉酸代謝拮抗薬 代謝拮抗薬の作用 代謝拮抗薬は一般的に…

フルコナゾール(ジフルカン)の併用禁忌薬、腎機能に応じた用量調節

フルコナゾール(ジフルカン)はトリアゾール系抗真菌薬であり、深在性真菌症の治療に使用されています。 適応症 用法用量 作用機序 併用禁忌薬 適応症 カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症 ・真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌…