デュタステリド(アボルブ)は前立腺肥大症治療薬であり、5α還元酵素阻害薬に分類されます。
アボルブの作用機序についてはこちらです。
今回はデュタステリド服用の注意点についてです。
・カプセルを噛んだり開けたりせずに服用する
カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、カプセルは噛んだり開けたりせずに服用します。
・基本的に一包化は行わない
デュタステリドは軟カプセル剤であり、高温多湿の条件下では軟化しやすいです。
PTPシートに入った状態で保管します。
・女性や子供はカプセルから漏れた薬剤に触れない
デュタステリドは経皮吸収される性質があるため、女性や子供はカプセルから漏れた薬剤に触れないようにしてください。
薬剤が漏れていなくても濡れた手で触った場合、カプセルが軟化して薬剤が漏れるおそれがあります。
DHT(ジヒドロテストステロン)を減少させる性質から、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性があると報告されています。
また、小児に対しても安全性が確立していない成分です。
もし薬剤に触れてしまった場合は、すぐに石けんと水で洗い流すようにします。
小さなお子さんがいるご家庭では手の届かない所に保管するようにしましょう。
・重度の肝障害がある患者は投与禁忌
デュタステリドは主としてCYP3A4で代謝されます。
肝機能が低下している患者では血中濃度が上昇するおそれがあります。
・6ヶ月間服用して効果を判定する
デュタステリドは肥大した前立腺を縮小させる効果があります。
即効性はありませんが(開始から早い段階で改善を認める場合もあります)、前立腺が縮小しているかどうかの効果を判定するのに通常6ヶ月は必要と言われています。
指示された期間服用を続けるように指導しましょう。
PSA値の低下についてはこちらです。