アルキル化薬は、DNAをアルキル化することでDNA複製を傷害し、細胞死を起こす薬剤です。
アルキル化薬の作用機序
アルキル化薬は第一次世界大戦中に化学兵器として使用されたマスタードガスの構造に由来しています。
細胞毒性に着目して使用された、最も早くから使われてきた抗がん剤です。
DNAにアルキル基(炭化水素)を結合(アルキル化)させることで、DNA複製が傷害され、細胞死を起こします。
イメージとしてはDNAの中にアルキル基という塊を入れることで、DNAの構造を変化させることで、細胞の増殖を抑えて、細胞死を起こさせます。
アルキル化薬の種類
アルキル化薬は構造の違いから以下のように分類されます。
・シクロホスファミド(エンドキサン)
・イホスファミド(イホマイド)
・メルファラン(アルケラン)
・ベンダムスチン(トレアキシン)
スルホン酸アルキル類
・ブスルファン(ブスルフェクス)
ニトロソウレア類
・ニムスチン(ニドラン)
・ラニムスチン(サイメリン)
・カルムスチン(ギリアデル)
・ストレプトゾシン(ザノサー)
トリアゼン類
・ダカルバジン(ダカルバジン)
・テモゾロミド(テモダール)
ハイドラジン類
・プロカルバジン(塩酸プロカルバジン)
副作用は種類により異なりますが、主なものとしては悪心、嘔吐、脱毛、骨髄抑制などです。