リベルサス(一般名:セマグルチド)は経口GLP-1受容体作動薬です。
適応症
2型糖尿病
用法用量
1日1回3mgより開始
4週間以上投与後、1日1回7mgに増量(維持用量)
効果不十分であれば、1日1回7mgを4週間以上投与後に、1日1回14mgまで増量可
規格
3mg、7mg、14mg
作用機序
リベルサス(一般名:セマグルチド)は初の経口GLP-1受容体作動薬です。
GLP-1は、インクレチンと呼ばれるインスリン分泌を促進するホルモンの一種です。
食後に消化管から分泌されることで、食後のインスリン分泌が促進され血糖値を降下させます。
血糖値が高いときだけ分泌されて、インスリン分泌を促進させます。
GLP-1受容体作動薬であるリベルサス(一般名:セマグルチド)の構造はGLP-1に類似しておりGLP-1アナログと呼ばれます。
作用はGLP-1とほとんど同じで、膵β細胞にあるGLP-1受容体を刺激することでインスリンの分泌を促進します。
服用方法と注意点
リベルサスの効果をしっかりと発揮させるためには、正しい服用方法を行うことが重要です。
リベルサスの服用タイミングは空腹時であり、1日のうちの最初の飲食の前に空腹の状態で服用します。
そのため、通常は起床時に服用することが多いです。
リベルサスは胃から吸収される薬剤であり、胃の中に食べ物や飲み物があると、吸収に影響を与えてしまうため、空腹時服用となっています。
服用の際は、コップ約半分の水(約120ml以下)とともに服用します。
多量の水や、お茶、コーヒー、服薬ゼリーなどでの服用はできません。
服用する水の量が「コップ約半分の水(約120ml以下)」とされている理由ですが、飲水量がリベルサスの吸収に影響を及ぼすためです。
GLP-1受容体作動薬はペプチドホルモンであり、分子量が大きく消化管から吸収されにくいことに加え、経口投与すると通常は胃で分解を受けてしまうため、注射剤しかありませんでした。
リベルサスはサルカプロザートナトリウム(SNAC)を含有しており、これには胃でのタンパク質分解から有効成分のセマグルチドを保護し、胃での吸収を促進させる働きがあります。
水の量が多いとサルカプロザートナトリウム(SNAC)の濃度が薄まってしまい、リベルサスの吸収が悪くなることが分かっています。
そのため、水の量は「コップ約半分の水(約120ml以下)」とされています。
服用後は飲食をしたり、他の薬を飲んだりするのは控え、30分以上経ってから行うようにとされています。
これは胃の内容物による影響を受けない状態で、薬を吸収する時間を確保するためです。
絶食時間が吸収に影響を及ぼすため、30分間は飲食や他の薬の服用は控えるようにとされています。
また、吸湿性が高い薬剤であるため、服用直前にPTPシートから取り出すようにします。
調剤においても、吸湿性が高いため「原則としてミシン目以外の場所で切り離さないこと」と記載されています。