薬剤師情報局

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カペシタビン(ゼローダ)の用法、投与量、減量基準

カペシタビン(ゼローダ)はフッ化ピリミジン代謝拮抗薬に分類される、抗悪性腫瘍薬です。

 

 

 

適応症

・手術不能又は再発乳がん

・結腸・直腸がん

胃がん

 

用法用量

手術不能又は再発乳癌にはA法又はB法を使用する。

結腸・直腸癌における補助化学療法にはB法を使用し、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でC法を使用する。直腸癌における補助化学療法で放射線照射と併用する場合にはD法を使用する。

胃癌には白金製剤との併用でC法を使用する。

 

A法

体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、21日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。

体表面積  1回用量 
1.31m2未満  900mg 
1.31m2以上1.64m2未満  1,200mg 
1.64m2以上  1,500mg 

 

B法

体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

体表面積  1回用量 
1.33m2未満  1,500mg 
1.33m2以上1.57m2未満  1,800mg 
1.57m2以上1.81m2未満  2,100mg 
1.81m2以上  2,400mg 

 

C法

体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

体表面積  1回用量 
1.36m2未満  1,200mg 
1.36m2以上1.66m2未満  1,500mg 
1.66m2以上1.96m2未満  1,800mg 
1.96m2以上  2,100mg 

 

D法

体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、5日間連日経口投与し、その後2日間休薬する。これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

体表面積  1回用量 
1.31m2未満  900mg 
1.31m2以上1.64m2未満  1,200mg 
1.64m2以上  1,500mg 

 

 

休薬、減量について

副作用発現時の減量基準についてです。

B法及びC法において副作用が発現した場合には、以下の規定を参考にして休薬・減量を行うこと。なお、胃癌における術後補助化学療法においてGrade2の非血液毒性が発現した場合には、以下のGrade3の休薬・減量規定を参考にして休薬・減量を考慮すること。

休薬・減量の規定

上記の休薬・減量の規定に応じて減量を行う際、次の用量を参考にすること。

 

1,250mg/m2相当量で投与を開始した場合の減量時の投与量

 

1,000mg/m2相当量で投与を開始した場合の減量時の投与量

 

腎機能に応じた用量調節

腎障害のある患者は副作用が重症化又は発現率が上昇するおそれがあるため、慎重投与となっており、重篤な腎障害のある患者は投与禁忌となっています。

減量の目安は以下のようになっています。

 軽度腎機能障害 :Ccr 51~80mL/min  減量は不要

 中等度腎機能障害:Ccr 30~50mL/min  75%用量(減量段階1)で開始

 高度腎機能障害 :Ccr 30mL/min未満   投与禁忌

 

 

食事の影響

カペシタビンの用法は食後30分以内となっています。

Cmaxは食後投与と比べて絶食時では53%増加しましたが、AUCは15%の増加であったことから、臨床上問題となる食事の影響は無いと考えられています。

臨床試験では全て食後30分以内に投与され、有効性・安全性が確認されたため添付文書に食後30分以内と記載されています。

 

 

代表的なレジメン

CapeOX療法:結腸・直腸がんにおける補助化学療法

  カペシタビン+オキサリプラチン

CapeOX+BV療法:治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん

  カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブ

 

 

作用機序や代表的な副作用である手足症候群についてはこちらです。 

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