薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

パリペリドン(インヴェガ)の作用機序、リスペリドン(リスパダール)との違い

パリペリドン(インヴェガ)は、SDA(セロトニンドパミン拮抗薬)に分類される抗精神病薬です。

 

 

 

適応症

統合失調症

 

 

用法用量

1日1回6mg 朝食後

1日12mgを超えない範囲で適宜増減

増量は5日間以上の間隔をあけて1日量として3mgずつ行う

 

 

作用機序

パリペリドンは第二世代(非定型)抗精神病薬セロトニンドパミン拮抗薬SDA:Serotonin-Dopamine Antagonist)です。

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ドパミンD2受容体とセロトニン5-HT2A受容体遮断作用をもちます。

D2受容体遮断作用により抗精神病作用を発揮し、そして抗セロトニン作用もあるので、陰性症状にも効果が期待できます。

 

 

リスペリドン(リスパダール)との違い

・リスペリドンの代謝活性物

リスペリドンもパリペリドン同様SDAに分類される薬です。

 

パリペリドンはこのリスペリドンの主代謝活性物になります。

 

パリペリドンはリスペリドンと同程度D2受容体とセロトニン5-HT2A受容体に作用します。

リスペリドンは94%が肝臓でCYP2D6によって代謝されてパリペリドンなどになりますが、パリペリドンは肝臓で34.7%しか代謝を受けないので、リスペリドンに比べて薬物間相互作用が少なく、血中濃度への影響を受けにくい薬剤であると言えます。

 

・OROSの採用

リスペリドンの用法は1日2回ですが、パリペリドンはOROS(Osmotic controlled Release Oral delivery System)を採用することにより、1日1回投与でよい薬剤となっています。

錠剤が3層構造になっており、薬物が持続的に放出される仕組みとなっています。

リスペリドンは服用前後で血中濃度が大きく前後しますが、パリペリドンは1日1回投与で安定した血中濃度を維持できます。

パリペリドン服用開始から4~5日で定常状態に達します。

 

・食事の影響

パリペリドンは空腹での服用で、血中濃度が低下してしまうため、用法通り朝食後に服用する必要がある薬剤です。

 

 

腎機能低下患者への投与

パリペリドンは肝臓での代謝をあまり受けない薬剤です。

その分、未変化体は腎臓から排泄されるため、腎機能が低下した患者では薬剤の排泄が遅れて血中濃度が高くなってしまうおそれがあります。

そのため、 Ccr<50mL/min の患者には投与禁忌となっています。

 

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