薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

メソトレキセート(メトトレキサート:MTX)とロイコボリン救援療法

メソトレキセート(メトトレキサート:MTX)は葉酸拮抗薬であり、がん治療に使用されている薬剤です。 葉酸に似た構造をしており、葉酸と同じように代謝を受けることで、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を阻害することでDNA合成を抑制し抗腫瘍効果を…

アリムタ(ペメトレキセド:PEM)と副作用対策としての葉酸とビタミンB12投与

アリムタ(ペメトレキセド:PEM)は葉酸拮抗薬であり、がん治療に使用されている薬剤です。 葉酸に似た構造をしており、葉酸と同じように代謝を受けることで、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)やチミジル酸合成酵素(TS)など複数の葉酸代謝酵素を阻害…

リスパダール内用液(リスペリドン)の注意点

リスパダール(リスペリドン)はセロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)に分類される抗精神病薬です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp リスパダールには錠剤、OD錠、内用液、注射剤と剤型が多くあります。 今回は、リスパダール内用液の特徴や注意点についてです…

ロペミン(ロペラミド)の作用機序

ロペミン(ロペラミド)は腸管運動を抑制する止瀉剤です。 適応症 下痢症 用法用量 1日1〜2mgを1〜2回分服症状により適宜増減 作用機序 ロペラミドは大腸のアウエルバッハ神経叢に存在するオピオイド μ 受容体を刺激します。 (アウエルバッハ神経叢:…

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)の注意点

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)は経皮吸収型の持続性疼痛治療剤です。 作用機序についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 使い方についてです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 今回は注意点についてまとめてみました。 貼付部位の皮膚障害 ノ…

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)の使い方

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)は経皮吸収型の持続性疼痛治療剤です。 作用機序についてはこちらです。 今回はノルスパンテープの使い方についてです。 規格には 5mg、10mg、20mgがあります。 用法用量 前胸部、上背部、上腕外部又は側胸…

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)の作用機序

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)は経皮吸収型の持続性疼痛治療剤です。 非麻薬性オピオイド鎮痛薬ですが、劇薬、第2種向精神薬に分類されます。 適応症 非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛 ・変形性関節症 ・腰痛症 …

ウラリット(クエン酸K・クエン酸Na配合)の注意点

ウラリット(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合)は、酸性尿やアシドーシスの治療に使用されるアルカリ化療法剤です。 作用機序についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp まず併用禁忌の薬剤では ヘキサミン静注(ヘキサミン)があります…

ウラリット(クエン酸K・クエン酸Na配合)の作用機序

ウラリット(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合)は、酸性尿やアシドーシスの治療に使用されるアルカリ化療法剤です。 適応症 ・痛風並びに高尿酸血症における酸性尿の改善 ・アシドーシスの改善 クエン酸塩はアシドーシスや酸性尿の改善に有効であ…

キネダック(エパルレスタット)の作用機序と食前服用の理由

キネダック(エパルレスタット)はアルドース還元酵素阻害薬であり、糖尿病による末梢神経障害に使用されます。 適応症 糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、疼痛)、振動覚異常、心拍変動異常の改善(糖化ヘモグロビンが高値を示す場合) 用法用…

リウマトレックス(メトトレキサート)の作用機序

リウマトレックス(メトトレキサート:MTX)は抗リウマチ薬です。 リウマチの他、乾癬の治療で使用されることもあります。 適応症 ・関節リウマチ ・局所療法で効果不十分な尋常性乾癬 ・関節症性乾癬 ・膿疱性乾癬 ・乾癬性紅皮症 ・関節症状を伴う若年…

アイトロール(一硝酸イソソルビド)とフランドル(硝酸イソソルビド)の違い

アイトロール(一硝酸イソソルビド)やフランドル(硝酸イソソルビド)はいわゆる硝酸薬に分類されます。 血管拡張作用のある硝酸薬は、主に狭心症の治療薬として使用されています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 今回はアイトロール(一硝酸イソソルビド)や…

【登録薬剤師数No.1】薬キャリ

薬キャリは医療業界を専門とするm3グループが運営をしています。 m3グループが運営する「m3.com」に登録されている方も多いのではないでしょうか。 少し話が逸れますが、「m3.com」は医療従事者向けの医療情報が得られるサイトです。登録は無料で、…

イストラディフェリン(ノウリアスト)の相互作用

イストラディフェリン(ノウリアスト)はアデノシンA2A受容体拮抗作用をもつパーキンソン病治療薬です。 wearing off現象(ウェアリングオフ現象)を改善する効果を持つ薬剤です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp ノウリアストは主に ・CYP1A1 ・CYP3…

ナトリウムを食塩量(塩分)に換算する方法

厚生労働省は、日本人の目標とすべき1日塩分摂取量を ・男性 7.5g未満 ・女性 6.5g未満 としており 高血圧症や慢性腎不全の方では6g未満が推奨されています。 食品の栄養成分表示に、「ナトリウム」や「塩分」と書かれているのをよく見ると思います…

アリセプト(ドネペジル)休薬後の再開投与量

アリセプト(ドネペジル)は抗認知症薬です。 コリンエステラーゼを阻害することで脳内のアセチルコリンを増加させ、脳内コリン作動性神経系の働きを高めます。 適応症 以下における認知症症状の進行抑制 ・アルツハイマー型認知症 ・レビー小体型認知症 用…

イソバイドシロップを飲みやすくする方法

イソバイドシロップ(有効成分:イソソルビド)は浸透圧利尿剤であり、メニエール病の治療等に使用されている薬剤です。 適応症 ・脳腫瘍時の脳圧降下、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下 ・メニエール病 イ…

メルカゾール(チアマゾール)とプロパジール(プロピルチオウラシル)の違い

抗甲状腺薬は甲状腺ホルモンを作りにくくする薬であり、バセドウ病を含む甲状腺機能亢進症の治療に使用されています。 作用機序についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 抗甲状腺薬には ・メルカゾール(チアマゾール:MMI) ・プロパジール/…

抗甲状腺薬による無顆粒球症について

抗甲状腺薬は甲状腺ホルモンを作りにくくする薬であり、バセドウ病を含む甲状腺機能亢進症の治療に使用されています。 作用機序についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 抗甲状腺薬による副作用の1つに無顆粒球症があります。 無顆粒球症とは、…

抗甲状腺薬の作用機序

抗甲状腺薬は甲状腺ホルモンを作りにくくする薬であり、バセドウ病を含む甲状腺機能亢進症の治療に使用されています。 (甲状腺機能亢進症で最も頻度が高いのがバセドウ病です) 甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進する作用の他、成長や発達に重要な役割を持つ…