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カペシタビン(ゼローダ)の作用機序 手足症候群と対策

カペシタビン(ゼローダ)はフッ化ピリミジン代謝拮抗薬に分類される、抗悪性腫瘍薬です。

 

用法や投与量についてはこちらです。

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作用機序

カペシタビンはフルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグです。

 

カペシタビンは消化管から吸収され、肝臓でカルボキシエステラーゼ(CE)により5'-DFCRに代謝されたあと、肝臓や腫瘍組織で活性の高いシチジンデアミナーゼ(CD)によって5'-DFURに変換されます。

 

5'-DFURは腫瘍組織で活性が高いチミジンホスホリラーゼ(TP)により5-FUとなり、抗腫瘍効果を発揮します。

 

腫瘍組織で5-FUとなるため、腫瘍組織内で高濃度の5-FUを作用させることができます。

また正常組織で作用しにくくなるので、5-FUの細胞毒性による消化管障害や骨髄抑制などの副作用を軽減することができます。

プロドラッグ化することでこのようなメリットがあります。

 

 

手足症候群(HFS:Hand-foot syndrome)

 このようにカペシタビンは5-FUをプロドラッグ化することで副作用を軽減していますが、それでも副作用は生じてしまいます。

中でも頻度の高いのが手足症候群です。(59.1%の頻度で報告されています)

手足症候群は手や足の皮膚の細胞が傷害されることによって起こる副作用です。

 好発部位

手のひらや足裏、爪など四肢末端に発現します。

 

 発現機序

発現機序は明確になっていませんが、皮膚の基底細胞の増殖能阻害やエクリン汗腺からの薬剤分泌などが原因でないかと推定されています。

 

 症状

軽度のものは発赤や色素沈着ですが、重度のものでは痛みを伴う紅斑、水疱、腫脹が生じ日常生活に影響が出てきてしまいます。

さらに重度のものでは、過角化、落屑、亀裂、びらん、潰瘍などが生じて、歩行困難、ものが掴めないといった身の回りの日常動作が制限されてしまいます。

 

グレード1:チクチクした皮膚の表面的な痛み

グレード2:はっきりとした痛みを伴う

グレード3:症状によって日常動作に影響が出ている

 このように判定されます。

グレード2以上が発現した場合はカペシタビンを休薬します。

 

 対処法

保湿剤(ヘパリン類似物質含有軟膏、白色ワセリン)やステロイド外用薬(抗炎症薬)を使用します。

 

 予防法

物理的刺激(摩擦、圧力、熱、紫外線等)を避けるようにします。

きつい靴を履くのを避け、長時間歩くのを控えるようにしたりして圧迫や摩擦を避けるようにします。

また初期症状を見逃さないようにし、はっきりとした痛みになる前の軽い症状の時点で保湿剤や外用ステロイドを使用することにより悪化を防げます。

 

 

カペシタビンでは手足症候群の他にも消化器症状(下痢、悪心、嘔吐、口内炎、食欲不振、便秘)や血液障害(血球減少)なども生じる可能性があり注意が必要です。

 

 

  まとめ

・カペシタビンは5-FUのプロドラッグで、腫瘍組織で作用しやすくすることにより副作用を軽減している

・手足症候群の副作用頻度が高い

・物理的刺激を避けるようにして、初期症状を見逃さずにすぐ対処する

 

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