薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

モンテルカスト錠とチュアブル錠の違いについて

シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)は気管支喘息アレルギー性鼻炎治療剤として使用されるロイコトリエン受容体拮抗薬です。

 

作用機序についてはこちらです。

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シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)には錠剤の他にチュアブル錠や細粒の剤型もあります。

今回はチュアブル錠についてです。

 

 

 

  シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)チュアブル

  

  規格

5mg

 

  適応症

気管支喘息

 

  用法用量

6歳以上の小児に1日1回5mg、就寝前

 

 

「チュアブル錠」は口の中で噛み砕いて服用する薬です。

チュアブル(chewable)は「噛むことのできる」の意です。

口の中で噛み砕いて溶かしてから服用するので、飲み込む力の弱い小児や高齢者でも飲みやすい剤型と言えます。

 

 

 

 

  チュアブル錠と錠との違い

錠剤には5mgと10mgの規格がありますが、成人が対象となっています。

6歳以上の小児に対してはチュアブル錠5mgを使用します。

(1歳以上6歳未満の小児には細粒4mgを使用します)

 

チュアブル錠の適応は「気管支喘息」のみとなっています。

(錠は気管支喘息アレルギー性鼻炎

 

そして添付文書の「用法用量に関連する注意」の項目に

「モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と生物学的に同等でなく、モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と比較してバイオアベイラビリティが高いため、モンテルカストチュアブル錠5mgとモンテルカストフィルムコーティング錠5mgをそれぞれ相互に代用しないこと」

と記載されています。

 

生物学的利用率は

錠      :約64%

チュアブル錠 :約73%

 

となっており

 

 

薬物動態もTmaxはチュアブル錠の方が短く、CmaxやAUCもチュアブル錠の方が高い数値が報告されています。

このようにチュアブル錠の方がバイオアベイラビリティ(生物学的利用率)が高いことを示す数値となっています。

 

 

モンテルカスト錠にはOD錠(口腔内崩壊錠)もあり、こちらも口の中で溶かして服用することのできる剤型ですが、フィルムコーティング錠(普通錠)と同じ動態を示し、チュアブル錠とは異なります。

 

 

このようにモンテルカスト錠とチュアブル錠は、適応となる患者年齢や適応症、生物学的利用率が異なります。

モンテルカスト錠とチュアブル錠は生物学的に同等ではないため、相互に使用できない薬剤となっています。

またモンテルカスト錠5mgの処方に対してチュアブル錠5mgに変更して調剤することもできません。

 

 

 

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