薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ミロガバリン(タリージェ)の用量、プレガバリン(リリカ)との違い

ミロガバリン(タリージェ)は末梢性神経障害性疼痛治療剤です。

 

 

 

適応症

末梢性神経障害性疼痛

 

 

用法用量

初期用量1回5mgを1日2回

その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回投与する

なお、年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する

 

 

腎機能が低下している患者への用量

ミロガバリンは腎排泄型の薬剤です。

腎機能が低下している患者では血中濃度が高くなるおそれがあるため、用量の調節が必要です。(慎重投与)

 

 

作用機序

ミロガバリンは、神経前シナプスのCa2+チャネルのα2δサブユニットという部分に結合し、Ca2+の流入を抑制します。

これによりグルタミン酸等の神経伝達物質の放出が抑えられ、興奮が伝わりにくくなります。

 

この作用機序はプレガバリン(リリカ)と同じものになります。

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プレガバリン(リリカ)との違い

・適応症

ミロガバリン(タリージェ)は末梢性神経障害性疼痛のみですが、

プレガバリン(リリカ)は神経障害性疼痛線維筋痛症に伴う疼痛

と適応が広いです。

ですが、今後はミロガバリンも適応症が拡大してくると思います。

 

・有効性

有効性に関してはプレガバリンと同程度と考えられています。

 

・副作用

ミロガバリン、プレガバリンともにα2δサブユニットへ作用しますが、α2δサブユニットにはα2δ-1とα2δ-2の2種類があります。

α2δ-1の方は鎮痛作用に関与しており、結合の親和性や解離時間に大きな差はありませんでした。

α2δ-2の方は眠気やふらつきの副作用に関与しており、ミロガバリンの方が解離時間が速いことから、ミロガバリンの方が副作用が少ないのでは、と期待されています。

ですが、傾眠やめまいの副作用報告はされており、プレガバリン同様に注意が必要です。

 

 

プレガバリン(リリカ)からの切り替え

プレガバリンとの用量換算に関するデータはありません。

通常用法通り、ミロガバリンの初期用量から開始して、1週間以上の間隔をあけて1回用量5mgずつ増量していきます。

 

プレガバリンの中止に関しては、プレガバリン中止の注意に従います。

「プレガバリンの投与を中止する場合には、少なくとも1週間以上かけて徐々に減量すること」

急激な投与中止は離脱症状(不眠、悪心、下痢、不安、多汗等)が生じるおそれがあります。

 

ミロガバリンを中止する際も、離脱症状が生じるおそれがあり、徐々に減量するようにします。

 

 

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