薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

肝臓

NAFLDとNASHについて

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪(トリグリセリド)が溜まった状態のことです。 脂肪肝の初期では症状はほとんどありませんが、肝機能は少しずつ低下していき、やがて肝炎を起こし、肝硬変になってしまうこともあります。 脂肪肝は、「アルコール性脂肪肝」と「…

レグテクト(アカンプロサート)の作用機序

レグテクト(一般名:アカンプロサート)はアルコール依存症治療薬です。 適応症 アルコール依存症患者における断酒維持の補助 用法用量 666mg(2錠)を1日3回食後投与 禁忌 重度の腎機能障害のある患者 アルコール依存症について WHO(世界保健…

γ-GTPについて

γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)は肝臓や胆道系疾患の診断に利用されます。 γ-GTPとは γ-GTP(γ - グルタミルトランスペプチダーゼ)はγ - グルタミルトランスフェラーゼとも呼ばれます。 γ - グルタミル基を他のペプチドやアミノ酸に転…

アミノレバンを飲みやすくする方法

アミノレバンEN配合散は肝不全用経口栄養剤です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 現在、アミノレバンENはフレーバーを配合した、フルーツ味、コーヒー味の製品があります。 ですが、患者さんからは飲みにくいという声もあるお薬です。 アミノレバンEN配…

肝性脳症と合成二糖類

肝硬変や肝炎などにより肝臓の機能が低下した際に生じる、意識障害などの中枢性の症状を肝性脳症といいます。 肝性脳症の症状などについてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 肝性脳症が生じる主な原因はアンモニア(NH3)であると考えられていま…

ウルソデオキシコール酸(ウルソ)による消化器症状

以前にウルソデオキシコール酸(ウルソ)による肝保護作用についてまとめました。 yakuzaishi-info.hateblo.jp そこでも述べたように、人の胆汁酸の一種であり、安全性が高く長期服用がしやすい薬剤ですが、副作用として消化器症状の報告があります。 下痢(…

アミノレバンとリーバクトの違い

アミノレバンとリーバクトはどちらも分子鎖アミノ酸(BCAA)製剤です。 BCAA(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)には、必須アミノ酸の中で炭素骨格が直鎖ではなく分岐しているバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類が該当します。 どれ…

BCAA製剤の役割

BCAA(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)は、必須アミノ酸の中で炭素骨格が直鎖ではなく分岐しているバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類です。 必須アミノ酸ですので、自分では作ることができません。 肝不全の状態では、このBCAAの…

肝性脳症について

肝硬変や肝炎などにより肝臓の機能が低下した際に生じる、意識障害などの中枢性の症状を肝性脳症といいます。 肝機能低下時にみられる症状としては ・腹水 ・浮腫 ・黄疸 ・食道・胃静脈瘤 ・出血傾向 ・肝性脳症 などがあります。 肝性脳症は、意識障害の程…

ウルソデオキシコール酸(ウルソ)の肝保護作用

ウルソデオキシコール酸(ウルソ)は利胆剤であり、古くから肝臓を守る薬として使用されてきました。 利胆とは胆汁の分泌を促す作用のことをいいます。 この作用により、胆汁の流れを良くしたり、胆石を溶かしたりする作用、肝臓の機能を改善したり、消化不…

アセトアミノフェン(カロナール)による肝障害

解熱鎮痛剤として、とてもよく使われているアセトアミノフェン(カロナール)ですが、高用量での使用により肝障害が生じるおそれがあり、添付文書の警告にも記載がされています。 今回はそれについてみていきましょう。 添付文書の警告に 「本剤により重篤な…

直接ビリルビンと間接ビリルビン

今回はお薬の話ではなく、直接ビリルビンと間接ビリルビンについてです。 ビリルビンは赤血球に含まれるヘモグロビンの一部が代謝されて生成されます。 赤血球の寿命は約120日で脾臓や肝臓で破壊されています。 寿命を迎えた赤血球が、脾臓や肝臓で破壊され…