薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ドンペリドン(ナウゼリン)とメトクロプラミド(プリンペラン)の違い

以前に、制吐剤として使用されるD2受容体拮抗薬の作用機序についてまとめました。 中枢性と末梢性の2つの作用から制吐作用を発揮する薬剤でした。 yakuzaishi-info.hateblo.jp ドンペリドン(ナウゼリン)とメトクロプラミド(プリンペラン)が該当します…

前負荷と後負荷

硝酸薬のところで、前負荷、後負荷について少しだけ触れました。 今回おさらいで、もう少し詳しくまとめておきたいと思います。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 心筋が収縮をするときの負荷は、前負荷と後負荷に分けられます。 前負荷は心臓が収縮する直前(拡…

硝酸薬の副作用と注意点

前回、硝酸薬の作用機序についてまとめました。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 今回は硝酸薬の副作用や注意点についてまとめたいと思います。 剤型や即効性・持続性ものなど違いはあるのですが、硝酸薬には主に ・ニトログリセリン(ニトロペン舌下錠、ニトロ…

硝酸薬の作用機序

血管拡張作用のある硝酸薬は、主に狭心症の治療薬として使用されています。 狭心症は心筋への酸素の供給と需要のバランスが崩れ、一時的・可逆的に心筋虚血を起こしている状態です。 冠動脈の狭窄や一過性の閉塞により生じ、胸部痛の他に呼吸困難感や背中や…

CHADS2 スコアについて

CHADS2(チャッズ・ツー)スコアという言葉を耳にしたことはありますでしょうか。 CHADS2スコアは、非弁膜症性心房細動における脳梗塞発症のリスク評価方法として用いられています。 各項目の頭文字を1つずつ取り、全部で5項目あります。 Conges…

アミノレバンとリーバクトの違い

アミノレバンとリーバクトはどちらも分子鎖アミノ酸(BCAA)製剤です。 BCAA(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)には、必須アミノ酸の中で炭素骨格が直鎖ではなく分岐しているバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類が該当します。 どれ…

定型、非定型抗精神病薬

以前に、統合失調症には陽性症状と陰性症状があることを述べました。 yakuzaishi-info.hateblo.jp では、今回は統合失調症の薬物療法で使用される抗精神病薬についてみていきたいと思います。 抗精神病薬は大きく2種類に分けられます。 第一世代(定型、従…

アルファロール内用液の保管方法

アルファロール内用液(有効成分:アルファカルシドール)は活性型ビタミンD3製剤であり、カルシウムの吸収を促進します。 活性型ビタミンD3については以前にこちらで述べています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp アルファロール(アルファカルシドール)に…

デュタステリド(アボルブ)の作用機序

デュタステリド(アボルブ)は前立腺肥大症治療薬であり、5α還元酵素阻害薬に分類されます。 以前に前立腺肥大症治療薬のα1遮断薬についてはこちらで述べました。 yakuzaishi-info.hateblo.jp α1遮断薬は前立腺内の平滑筋を弛緩させることで、排尿困難を改…

アラミスト点鼻液の使い方

アラミスト点鼻液(成分名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル)はアレルギー性鼻炎に使用されるステロイド点鼻薬です。 アレルギーに有効なミスト(霧)なので、アラミストという名前になったようです。 適応症は 「アレルギー性鼻炎」 用法用量は 成人…

トラニラスト(リザベン)のケロイド・肥厚性瘢痕治療作用

トラニラスト(リザベン)は抗アレルギー作用と、ケロイド・肥厚性瘢痕治療作用をもつお薬です。 適応症は 気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,ケロイド・肥厚性瘢痕 となっています。 トラニラストはヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキ…

D2受容体拮抗薬と中枢性、末梢性嘔吐

消化管運動機能を改善するD2受容体拮抗薬にはドンペリドン(ナウゼリン)とメトクロプラミド(プリンペラン)があり、どちらも制吐薬として使用されています。 D2受容体拮抗薬は中枢性と末梢性の2つの作用から効果を発揮します。 まず末梢性の作用ですが …

ナルフラフィン(レミッチ)の作用機序

ナルフラフィン(レミッチ/ノピコール)は透析患者や慢性肝疾患患者の掻痒症に使用されます。 透析治療を受けている方や慢性肝疾患がある方は、全身性の強い痒みが生じてしまうことがあります。 透析患者の約70%に痒みが生じていると言われています。 皮…

レボドパ製剤とドパミンアゴニストの比較

レボドパ製剤もドパミンアゴニストも、ともにパーキンソン病治療の中心となる薬剤です。 レボドパ製剤は脳内で不足しているドパミンを補い効果を発揮します。 ドパミンアゴニストはドパミン受容体を刺激することで、レボドパ製剤を投与したときと同じような…

レベチラセタム(イーケプラ)の作用機序

レベチラセタム(イーケプラ)は新世代抗てんかん薬です。 他の抗てんかん薬とは異なる作用機序をもつ抗てんかん薬です。 今回はそれについて見ていきましょう。 適応症は ・てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む) ・他の抗てんかん薬で十分な効…

プロトピック軟膏(タクロリムス)の強さ

プロトピック軟膏(有効成分:タクロリムス)はアトピー性皮膚炎の治療に使用される軟膏剤です。 ステロイド外用薬と並んでアトピー性皮膚炎の治療に使用されています。 有効成分のタクロリムスは免疫抑制薬に分類され、ステロイドとは異なる機序のお薬です…

ロコアテープ使用の注意点

ロコアテープ(有効成分:エスフルルビプロフェン・ハッカ油)は経皮吸収型のNSAIDsです。 エスフルルビプロフェンは、ラセミ体を形成するフルルビプロフェンのS体です。 S体が活性本体であり、有効成分のみを抽出したものとなります。 ヤクバンテー…

タムスロシン(ハルナール)OD錠の飲み方

タムスロシン(ハルナール)にはOD錠やカプセルの剤型があります。 タムスロシンは前立腺肥大症の治療で使用される、第2世代αブロッカーですね。 yakuzaishi-info.hateblo.jp タムスロシンOD錠は水なしでも服用できる、口腔内崩壊錠です。 (OD錠:Oral Dis…