薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

循環器系

SGLT2阻害薬と心不全治療

SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬として発売されました。 SGLT2阻害薬の働きを簡単に言うと、尿中に排泄される糖の量を増やす働きがあります。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 現在は糖尿病がなくても、心不全治療薬として使用される薬剤となっています。 糖…

エンレスト(サクビトリルバルサルタン)の作用機序

エンレスト(一般名:サクビトリルバルサルタン)はアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)に分類される薬剤です。(配合比は1:1) 慢性心不全や高血圧症に使用されます。 エンレストはサクビトリルとバルサルタンの複合体であり、二つ…

ワーファリン(ワルファリン)の夕食後服用

ワーファリン(一般名:ワルファリン)は経口抗凝固薬であり、血栓塞栓症の治療で使用される薬剤です。 血を固まりにくくする抗凝固薬ですが、その影響で血が止まりにくくなってしまう場合があります。 また、ワーファリンの効果は個人差が大きく、また同じ…

PCIについて

今回はPCIについてです。 PCIとは PCIは Percutaneous Coronary Intervention の略であり、経皮的冠動脈インターベンションのことです。 細くなったり詰まったりした冠動脈に、カテーテルを差し込んで、問題の生じている場所の治療を行います。 イ…

アイトロール(一硝酸イソソルビド)とフランドル(硝酸イソソルビド)の違い

アイトロール(一硝酸イソソルビド)やフランドル(硝酸イソソルビド)はいわゆる硝酸薬に分類されます。 血管拡張作用のある硝酸薬は、主に狭心症の治療薬として使用されています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 今回はアイトロール(一硝酸イソソルビド)や…

ナトリウムを食塩量(塩分)に換算する方法

厚生労働省は、日本人の目標とすべき1日塩分摂取量を ・男性 7.5g未満 ・女性 6.5g未満 としており 高血圧症や慢性腎不全の方では6g未満が推奨されています。 食品の栄養成分表示に、「ナトリウム」や「塩分」と書かれているのをよく見ると思います…

ビソノテープの使い方とメインテートとの比較

ビソノテープ(有効成分:ビソプロロール)は経皮吸収型のβ1遮断薬です。 世界初のβ1遮断薬テープ剤であり、有効成分のビソプロロールは内服薬としてメインテートやそのジェネリックが使われていました。 ビソプロロールはβ1選択性、ISA(-)のβ遮断薬で…

エドキサバン(リクシアナ)の用量について

エドキサバン(リクシアナ)はDOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)の一種です。 DOACの作用機序については以下にまとめています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 投与の基準になるCHADS2スコアについてはこちらです。 yakuzais…

アピキサバン(エリキュース)の用量について

アピキサバン(エリキュース)はDOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)の一種です。 DOACの作用機序については以下にまとめています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 投与の基準になるCHADS2スコアについてはこちらです。 yakuza…

リバーロキサバン(イグザレルト)の用量について

リバーロキサバン(イグザレルト)はDOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)の一種です。 DOACの作用機序については以下にまとめています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 投与の基準になるCHADS2スコアについてはこちらです。 ya…

ニコランジル(シグマート)の作用機序、硝酸薬との違い

シグマート(ニコランジル)は狭心症治療で使用されるお薬です。 狭心症の治療薬には硝酸薬があり、そちらについてもまとめています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp ニコランジルは狭心症の治療薬として、硝酸薬と同じように扱われることが多いですが、硝酸薬…

前負荷と後負荷

硝酸薬のところで、前負荷、後負荷について少しだけ触れました。 今回おさらいで、もう少し詳しくまとめておきたいと思います。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 心筋が収縮をするときの負荷は、前負荷と後負荷に分けられます。 前負荷は心臓が収縮する直前(拡…

硝酸薬の副作用と注意点

前回、硝酸薬の作用機序についてまとめました。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 今回は硝酸薬の副作用や注意点についてまとめたいと思います。 剤型や即効性・持続性ものなど違いはあるのですが、硝酸薬には主に ・ニトログリセリン(ニトロペン舌下錠、ニトロ…

硝酸薬の作用機序

血管拡張作用のある硝酸薬は、主に狭心症の治療薬として使用されています。 狭心症は心筋への酸素の供給と需要のバランスが崩れ、一時的・可逆的に心筋虚血を起こしている状態です。 冠動脈の狭窄や一過性の閉塞により生じ、胸部痛の他に呼吸困難感や背中や…

CHADS2 スコアについて

CHADS2(チャッズ・ツー)スコアという言葉を耳にしたことはありますでしょうか。 CHADS2スコアは、非弁膜症性心房細動における脳梗塞発症のリスク評価方法として用いられています。 各項目の頭文字を1つずつ取り、全部で5項目あります。 Conges…

DOACの作用機序

DOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)は凝固因子を阻害して血栓形成を抑制する抗凝固薬です。 今までは抗凝固薬としてワルファリン(ワーファリン)が使用されていましたが、近年はワルファリンとは異なる作用機序で抗凝固作用を示すD…

ACE阻害薬で空咳が生じる機序

ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬の特徴的な副作用に空咳があります。 空咳とは痰の出ない咳のことですね。 レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 アンジオテンシンノゲン → アンジオテンシンⅠ → アンジオテンシンⅡ ↑ ↑ レニン アンジオテン…

家庭血圧の正しい測り方

診察室の血圧が正常であっても、家庭での血圧が高い仮面高血圧は家庭で血圧測定をしていないと見過ごされてしまいます。 毎日リラックスした状態で定期的に血圧測定をすることにより、信頼性の高い血圧情報になります。 記録を付けておくことで医師には診断…

シロスタゾール(プレタール)の血管拡張作用

シロスタゾール(プレタール)は抗血小板剤であり、脳梗塞の再発抑制や慢性動脈閉塞症にともなう足の痛みや潰瘍、冷感等の治療に使用されています。 シロスタゾールの適応症 ・慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善 ・脳梗塞(心…

腎保護効果のあるCa拮抗薬

今回は腎保護効果のあるCa拮抗薬について見ていきたいと思います。 まずCa拮抗薬はジヒドロピリジン(DHP)系、ベンゾジアゼピン(BTZ)系、フェニルアルキルアミン(PAA)系に分類されます。 ジヒドロピリジン系はアムロジピン(ノルバスク/アムロジン)、…

ロサルタンカリウム(ニューロタン)の尿酸低下作用

一番初めに発売されたARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)であるロサルタン(ニューロタン)。 その関係か降圧力は他のARBに比べて弱いと言われています。 しかしロサルタンは尿酸排泄作用もあるARBです。 ARBは降圧力の増大を期待して、チアジド…