薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ナルデメジン(スインプロイク)の作用機序と効果発現時間

ナルデメジン(スインプロイク)はオピオイド鎮痛薬によるオピオイド誘発性便秘症に用いられるお薬です。 オピオイド鎮痛薬にはフェンタニルやモルヒネ、オキシコドン、トラマドールなどがあります。 オピオイド鎮痛薬はNSAIDsのような鎮痛薬よりも強…

副甲状腺ホルモン(PTH:パラトルモン)について

副甲状腺ホルモン(PTH:パラトルモン)は副甲状腺から分泌されているホルモンです。 副甲状腺ホルモンは骨や腎臓、小腸に作用し血中カルシウム濃度の調節をしてくれています。 血液中のカルシウム濃度が低下すると、それを正常化するため副甲状腺が刺激…

デュラグルチド(トルリシティ)を打ち忘れたときの対処

デュラグルチド(トルリシティ)はGLP-1受容体作動薬であり、半減期が108時間と長く、一度の使用で効果が一週間持続する「持続性GLP-1受容体作動薬」です。 GLP-1受容体作動薬はインクレチン関連薬の1つですが、それについては下記の記事で…

イストラディフェリン(ノウリアスト)の作用機序

イストラディフェリン(ノウリアスト)はアデノシンA2A受容体拮抗作用をもつパーキンソン病治療薬です。 wearing off現象(ウェアリングオフ現象)を改善する効果を持つ薬剤ですが、どのような機序によって改善しているのかを見ていきましょう。 アデノシンA…

肝代謝型のH2受容体拮抗薬

H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)はプロトンポンプ阻害薬(PPI)に次いで強力な胃酸分泌抑制作用をもちます。 胃粘膜壁細胞の基底膜側に存在するヒスタミンH2受容体において、ヒスタミンと拮抗して働きプロトンポンプへの刺激が抑制されて、胃酸分泌を抑制し…

ピオグリタゾン(アクトス)の特徴的な副作用(浮腫、心電図異常、骨折)

ピオグリタゾン(アクトス)はインスリン抵抗性改善薬として糖尿病治療に使用されている薬剤です。 このピオグリタゾンには特徴的な副作用がいくつかあるのですが、まずは作用機序の確認です。 ピオグリタゾンは脂肪細胞に存在するPPAR-γ(ペルオキシソーム…

グリセリン浣腸の使い方

便秘時に使用されている、浣腸剤であるグリセリン浣腸。 今回はその使い方や注意点の再確認です。 グリセリン浣腸は速効性があり、速やかに排便を促したいときや、硬結便がある場合に使用されます。 グリセリンが組織から水を吸収し、腸壁を刺激して蠕動運動…

家庭血圧の正しい測り方

診察室の血圧が正常であっても、家庭での血圧が高い仮面高血圧は家庭で血圧測定をしていないと見過ごされてしまいます。 毎日リラックスした状態で定期的に血圧測定をすることにより、信頼性の高い血圧情報になります。 記録を付けておくことで医師には診断…

リナクロチド(リンゼス)の食前投与

リナクロチド(リンゼス)は便秘型の過敏性腸症候群の治療薬として使用されている薬剤です。 過敏性腸症候群(IBS)は、腸の器質的な変化を伴わずに、便通異常(下痢、便秘)や腹痛を主症状とする消化器症状が長期間続いたり再燃・寛解を繰り返す疾患です。 …

ケトプロフェン(モーラス)と日焼け止めについて

ケトプロフェンは抗炎症作用をもつNSAIDs(非ステロイド抗炎症薬)であり、外用薬として使用されています。 モーラステープやモーラスパップが有名ですね。 このケトプロフェンを使用する際は副作用の光線過敏症に注意するよう喚起されています。 ケトプロフ…

抗てんかん薬(ゾニサミド、トピラマート)による発汗減少

ゾニサミド(エクセグラン)、トピラマート(トピナ)は、抗てんかん薬の一種ですが副作用に発汗減少が報告されている薬剤です。 抗てんかん薬の副作用といえば眠気やふらつき、倦怠感などがありますがゾニサミドとトピラマートは発汗減少という珍しい副作用…

アセトアミノフェン(カロナール)による肝障害

解熱鎮痛剤として、とてもよく使われているアセトアミノフェン(カロナール)ですが、高用量での使用により肝障害が生じるおそれがあり、添付文書の警告にも記載がされています。 今回はそれについてみていきましょう。 添付文書の警告に 「本剤により重篤な…