薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

糖尿病

ヘモグロビンA1cとグリコアルブミン

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とグリコアルブミン(GA)はどちらも血糖コントロールの指標となります。 HbA1c 基準値:4.3~5.8% HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します。 HbA1cは、赤血球に含…

SU薬の比較と特徴

経口血糖降下薬の一種であるSU薬(スルホニル尿素薬)は、インスリン分泌を促し血糖値を下げるお薬です。 SU薬の作用機序は以下のようになります。 SU薬が膵β細胞のSU受容体に結合 ↓ ATP感受性Kチャネルを閉鎖 ↓ 細胞膜の脱分極 ↓ 電位依存性C…

食後血糖値と空腹時血糖値

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。 食事には炭水化物(糖質)が含まれており、体内でブドウ糖となりエネルギーとして使用されます。 血糖値は食事の影響を受けるので、食事の前後で変動します。 血糖値の単位はmg/d…

SU薬の二次無効について

経口血糖降下薬の一種であるSU薬(スルホニル尿素薬)は、インスリン分泌を促し血糖値を下げるお薬です。 SU薬の作用機序は以下のようになります。 SU薬が膵β細胞のSU受容体に結合 ↓ ATP感受性Kチャネルを閉鎖 ↓ 細胞膜の脱分極 ↓ 電位依存性C…

メトホルミンと造影剤について

メトグルコ(メトホルミン)はビグアナイド系経口血糖降下薬です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp メトグルコ(メトホルミン)とヨード造影剤は併用注意の組み合わせとなっています。 ヨード造影剤とは 造影剤はCTやMRIなどの画像診断の際に、より分かり…

オゼンピック(セマグルチド)の使い方と打ち忘れたときの対処

オゼンピック(セマグルチド)はGLP-1受容体作動薬であり、半減期が145時間と長く、一度の使用で効果が一週間持続する「持続性GLP-1受容体作動薬」です。 GLP-1受容体作動薬はインクレチン関連薬の1つですが、それについては下記の記事でま…

キネダック(エパルレスタット)の作用機序と食前服用の理由

キネダック(エパルレスタット)はアルドース還元酵素阻害薬であり、糖尿病による末梢神経障害に使用されます。 適応症 糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、疼痛)、振動覚異常、心拍変動異常の改善(糖化ヘモグロビンが高値を示す場合) 用法用…

メトホルミンとビタミンB12欠乏症

メトホルミン(メトグルコ)はビグアナイド系経口血糖降下薬(BG薬)です。 古くから2型糖尿病に使用されており、経済性にも優れており欧米では第一選択薬として用いられています。 作用機序についてはこちらです。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 糖尿病治…

メトホルミンによる乳酸アシドーシスについて

メトホルミン(メトグルコ)はビグアナイド系経口血糖降下薬です。 作用機序についてはこちらでまとめました。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 単独使用では低血糖症状を起こしにくく安全性の高い薬剤ですが、乳酸アシドーシスという頻度は低いものの重篤な副作…

メトホルミン(メトグルコ)の薬理作用

メトホルミン(メトグルコ)はビグアナイド系経口血糖降下薬(BG薬)です。 古くから2型糖尿病に使用されており、経済性にも優れており欧米では第一選択薬として用いられています。 今回は現在も糖尿病治療薬として処方頻度の多いメトホルミンの作用機序…

トレラグリプチン(ザファテック)、オマリグリプチン(マリゼブ)飲み忘れ時の対応

トレラグリプチン(ザファテック)とオマリグリプチン(マリゼブ)はどちらも持続性DPP-4阻害薬であり、週に1度服用すればよいお薬です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp ザファテックは武田薬品が、マリゼブはMSDが発売しており、武田薬品はアログリプチ…

DPP-4阻害薬の代謝・排泄経路

DPP-4阻害薬は、食事摂取に伴い消化管から分泌されたインクレチンであるGLP-1やGIPを分解する酵素であるジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)活性を阻害することで、インクレチン濃度を上昇させてインスリン分泌を促進します。 DPP-4阻…

SU薬による体重増加

経口血糖降下薬の一種であるSU薬(スルホニル尿素薬)は、インスリン分泌を促し血糖値を下げるお薬です。 SU薬にはグリメピリド(アマリール)、グリクラジド(グリミクロン)、グリベンクラミド(オイグルコン/ダオニール)などがあります。 作用機序…

デュラグルチド(トルリシティ)を打ち忘れたときの対処

デュラグルチド(トルリシティ)はGLP-1受容体作動薬であり、半減期が108時間と長く、一度の使用で効果が一週間持続する「持続性GLP-1受容体作動薬」です。 GLP-1受容体作動薬はインクレチン関連薬の1つですが、それについては下記の記事で…

ピオグリタゾン(アクトス)の特徴的な副作用(浮腫、心電図異常、骨折)

ピオグリタゾン(アクトス)はインスリン抵抗性改善薬として糖尿病治療に使用されている薬剤です。 このピオグリタゾンには特徴的な副作用がいくつかあるのですが、まずは作用機序の確認です。 ピオグリタゾンは脂肪細胞に存在するPPAR-γ(ペルオキシソーム…

インクレチン関連薬について

今回は基礎的な内容になりますがインクレチン関連薬についてのおさらいです。 まずインクレチンについてです。 インクレチンとは食事の摂取に伴い消化管から分泌され、膵β細胞からのインスリン分泌を促進するホルモンの総称です。 今までに確認されているイ…

ロサルタンカリウム(ニューロタン)の尿酸低下作用

一番初めに発売されたARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)であるロサルタン(ニューロタン)。 その関係か降圧力は他のARBに比べて弱いと言われています。 しかしロサルタンは尿酸排泄作用もあるARBです。 ARBは降圧力の増大を期待して、チアジド…