薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

モンテルカストの作用機序と就寝前服用について

シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)は気管支喘息アレルギー性鼻炎治療剤として使用されるロイコトリエン受容体拮抗薬です。

 

 

 

  適応症

気管支喘息

アレルギー性鼻炎

 

 

  用法用量

気管支喘息     :1日1回10mg 就寝前

アレルギー性鼻炎  :1日1回5~10mg 就寝前

 

 

  作用機序

肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンやロイコトリエンといったケミカルメディエーターが放出されると、アレルギー反応が生じてしまいます。

 

シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)はロイコトリエンの作用を抑えることにより、気管支喘息アレルギー性鼻炎の症状を改善します。

 

ロイコトリエンがCysLT1受容体(システイニルロイコトリエン タイプ1受容体)に結合することで、気管支収縮、血管透過性の亢進、粘液分泌の促進といった症状が生じます。

ロイコトリエンが気管支を収縮させることで気道を狭くして喘息を発症させてしまいます。

 

シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)はCysLT1受容体に選択的に結合し、ロイコトリエンが結合できないようにして働きを阻害します。

ロイコトリエンの働きを阻害することで気管支拡張作用が得られ喘息の改善や予防につながります。

また、鼻粘膜においてもCysLT1受容体阻害作用により、鼻粘膜の炎症や鼻閉(鼻づまり)を改善します。

 

 

 

  就寝前投与について

シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)の用法が「就寝前」となっている理由についてです。

 

喘息の症状は夜間から早朝にかけて最も悪化しやすくなります。

早朝の血中濃度を高く維持し、症状の悪化を抑えるために就寝前投与に設定されました。

 

またアレルギー性鼻炎患者は喘息を合併する割合が非アレルギー性鼻炎患者よりも高いため、喘息患者と同じ就寝前に設定されました。

 

 

シングレア・キプレス(一般名:モンテルカスト)は食事の影響を受けないため、「食事の有無にかかわらず服用できる」と記載されています。

 

 

 

 

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