薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ハーセプチン(トラスツズマブ)、パージェタ(ペルツズマブ)併用療法

ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)は抗HER2抗体薬であり、HER2過剰発現が確認された乳癌・胃がんに使用されます。 パージェタ(一般名:ペルツズマブ)は抗HER2抗体薬であり、HER2過剰発現が確認された乳癌に使用されます。 ハーセプ…

パージェタ(ペルツズマブ:PER)投与の注意点

パージェタ(一般名:ペルツズマブ)は抗HER2抗体薬であり、HER2過剰発現が確認された乳癌に使用されます。 規格 パージェタ点滴静注420mg/14mL 適応症 HER2陽性の乳癌 用法用量 トラスツズマブと他の抗悪性腫瘍薬との併用において、 …

ハーセプチン(トラスツズマブ:HER)投与の注意点

ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)は抗HER2抗体薬であり、HER2過剰発現が確認された乳癌・胃がんに使用されます。 規格 ハーセプチン注射用60(溶解液:日局注射用水3.0ml) ハーセプチン注射用150(溶解液:日局注射用水7.2ml)…

アルドステロンについて

アルドステロンは副腎皮質の球状層から分泌される鉱質コルチコイドの一種です。 アルドステロンは腎臓の集合管や遠位尿細管に作用して、ナトリウムの再吸収を促進します。 そしてナトリウムの再吸収は水の再吸収につながり、循環血漿量が増加します。 (水と…

ウテメリン注(リトドリン)のブドウ糖希釈について

ウテメリン(一般名:リトドリン)は子宮収縮抑制作用があり、切迫流・早産治療に使用される薬剤です。 ウテメリン(一般名:リトドリン)は子宮平滑筋を弛緩させることで、子宮収縮抑制作用を発揮します。 yakuzaishi-info.hateblo.jp ウテメリンには内服薬…

ウテメリン(リトドリン)の作用機序

ウテメリン(一般名:リトドリン)は子宮収縮抑制作用があり、切迫流・早産治療に使用される薬剤です。 切迫早産とは 早産とは正期産よりも前の出産のことです。 正期産は37週~42週未満での出産のことをいいます。 妊娠22週~36週での出産が早産で…

リウマトレックス(メトトレキサート)飲み忘れた場合

リウマトレックス(メトトレキサート:MTX)は抗リウマチ薬です。 リウマチの他、乾癬の治療で使用されることもあります。 リウマトレックスはジヒドロ葉酸還元酵素(ジヒドロ葉酸レダクターゼ:DHFR)を阻害することで、葉酸の合成を阻害して炎症細…

ムコスタ点眼液の使い方と注意点

ムコスタ点眼液UD2%(有効成分:レバミピド)はドライアイ治療に使用される薬剤です。 ムコスタ点眼液はムチンの分泌量を増やすことで涙液を安定化し、ドライアイ症状を改善していきます。 yakuzaishi-info.hateblo.jp ムコスタ点眼液は防腐剤を含んでい…

ムコスタ点眼液の作用機序

ムコスタ点眼液UD2%(有効成分:レバミピド)はドライアイ治療に使用される薬剤です。 防腐剤を含んでいない、1回使い切りタイプのユニット・ドーズ製剤です。 UDは Unit Dose の略です。 有効成分である「レバミピド」は、胃炎治療薬のムコスタ錠(…

ロゼレム(ラメルテオン)の作用機序と服用タイミング

ロゼレム(一般名:ラメルテオン)はメラトニン受容体作動薬であり、入眠困難に使用される薬剤です。 規格 錠剤:8mg 適応症 不眠症における入眠困難の改善 用法用量 1回8mg 就寝前投与 作用機序 メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンであり…

シクレスト(アセナピン)による口の痺れについて

シクレスト(一般名:アセナピン)は、多元受容体作用抗神経薬(MARTA)に分類される統合失調症治療薬です。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 作用機序や舌下投与の理由についてはこちらにまとめています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp 他のMARTAと比…

セファランチンについて

セファランチン(有効成分:タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)はツヅラフジ科植物タマサキツヅラフジの根から抽出されたアルカロイドです。 アルカロイドは窒素原子を含み、塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称です。 セファランチンは様々な薬理作…

アルロイドG(アルギン酸ナトリウム)の注意点

アルロイドG(一般名:アルギン酸ナトリウム)は消化性潰瘍用剤です。 胃の粘膜を保護したり、胃の出血を止める作用があります。 適応症 下記疾患における止血及び自覚症状の改善 胃・十二指腸潰瘍、びらん性胃炎 逆流性食道炎における自覚症状の改善 胃生…

ヘモグロビンA1cとグリコアルブミン

ヘモグロビンA1c(HbA1c)とグリコアルブミン(GA)はどちらも血糖コントロールの指標となります。 HbA1c 基準値:4.3~5.8% HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します。 HbA1cは、赤血球に含…

NAFLDとNASHについて

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪(トリグリセリド)が溜まった状態のことです。 脂肪肝の初期では症状はほとんどありませんが、肝機能は少しずつ低下していき、やがて肝炎を起こし、肝硬変になってしまうこともあります。 脂肪肝は、「アルコール性脂肪肝」と「…

アンヒバ坐剤とナウゼリン坐剤 使用の順番

坐薬は肛門から投与し作用させる薬剤です。 痔の治療で用いられる局所に作用するものと、解熱や鎮痛などの全身に作用するものがあります。 内服薬に比べて、 ・肝臓で分解を受けずに、すぐに血中に吸収されるので、効果の発現が速い ・胃粘膜への刺激がなく…

活性型ビタミンD3製剤の違い

ビタミンDは骨や歯の正常な発育に必要なビタミンです。 ビタミンDの吸収や代謝に問題があると、カルシウムの吸収が低下し骨粗鬆症の原因となってしまいます。 ビタミンD3は肝臓と腎臓でそれぞれ代謝を受けることで活性型ビタミンD3へと変換されます。 …

リウマトレックス(メトトレキサート)と葉酸

リウマトレックス(一般名:メトトレキサート MTX)は抗リウマチ薬です。 リウマチの他、乾癬の治療で使用されることもあります。 ガイドラインでも推奨されており、リウマチ治療のアンカードラッグ(中心的薬剤)として使用されています。 リウマトレッ…

SU薬の比較と特徴

経口血糖降下薬の一種であるSU薬(スルホニル尿素薬)は、インスリン分泌を促し血糖値を下げるお薬です。 SU薬の作用機序は以下のようになります。 SU薬が膵β細胞のSU受容体に結合 ↓ ATP感受性Kチャネルを閉鎖 ↓ 細胞膜の脱分極 ↓ 電位依存性C…

食後血糖値と空腹時血糖値

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。 食事には炭水化物(糖質)が含まれており、体内でブドウ糖となりエネルギーとして使用されます。 血糖値は食事の影響を受けるので、食事の前後で変動します。 血糖値の単位はmg/d…

SU薬の二次無効について

経口血糖降下薬の一種であるSU薬(スルホニル尿素薬)は、インスリン分泌を促し血糖値を下げるお薬です。 SU薬の作用機序は以下のようになります。 SU薬が膵β細胞のSU受容体に結合 ↓ ATP感受性Kチャネルを閉鎖 ↓ 細胞膜の脱分極 ↓ 電位依存性C…

ライ症候群について

どんな疾患か ライ症候群は、小児にみられる肝臓の脂肪浸潤を伴う重篤な急性脳症を起こす疾患です。 原因は不明ですが、風邪やインフルエンザ、水痘などのウイルス感染後、特にアスピリンを服用している小児に発症し、アスピリンの使用が引き金になると考え…

幼児用PL配合顆粒について

「幼児用PL配合顆粒」は、子供用の総合感冒薬です。 かぜによる熱や痛み、鼻水やくしゃみなどの症状を和らげます。 規格 1g/包 適応症 感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和 鼻汁、鼻閉、咽・喉頭痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱 用法用量…

PL配合顆粒の4成分について

総合感冒薬であるPL配合顆粒には4成分が含まれています。 規格 1g/包 適応症 感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和 鼻汁、鼻閉、咽・喉頭痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱 用法用量 1回1g 1日4回 組成 有効成分(1g中) サリチルア…

ワーファリン(ワルファリン)の夕食後服用

ワーファリン(一般名:ワルファリン)は経口抗凝固薬であり、血栓塞栓症の治療で使用される薬剤です。 血を固まりにくくする抗凝固薬ですが、その影響で血が止まりにくくなってしまう場合があります。 また、ワーファリンの効果は個人差が大きく、また同じ…

リピディル(フェノフィブラート)による尿酸低下作用

リピディル/トライコア(フェノフィブラート)はフィブラート系薬であり、高脂血症の治療で使用されている薬剤です。 規格 錠剤:53.3mg、80mg 適応症 高脂血症(家族性を含む) 用法用量 1日1回食後 106.6~160mg 1日160mgまで …

アルファロール内用液の乳幼児への飲ませ方

アルファロール内用液(一般名:アルファカルシドール)は活性型ビタミンD3製剤であり、カルシウムの吸収を促進します。 活性型ビタミンD3については以前にこちらで述べています。 yakuzaishi-info.hateblo.jp アルファロール(アルファカルシドール)には…

乳酸カルシウムとリン酸水素カルシウムの違い

乳酸カルシウムとリン酸水素カルシウムはどちらもカルシウム製剤です。 今回はこの2剤の違いについてです。 どちらもカルシウム製剤ですが適応が異なります。 適応症 乳酸カルシウム 低カルシウム血症に起因する下記症状の改善 テタニー 下記代謝性骨疾患に…

ニュープロパッチの使い方、注意点

ニュープロパッチ(一般名:ロチゴチン)はドパミン受容体作動薬であり、パーキンソン病やレストレスレッグス症候群の治療で使用される薬剤です。 規格 2.25mg、4.5mg、9mg、13.5mg、18mg 適応症 2.25mg、4.5mg ・パーキンソ…

ベストロン点眼用の溶解方法、注意点

ベスロトン点眼用(一般名:セフメノキシム)はセフェム系抗菌薬点眼です。 適応症 眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法 用法用量 1回1~2滴 1日4回 4週間の投与を目安 特徴 ベストロンは抗…