薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

リピディル(フェノフィブラート)による尿酸低下作用

リピディル/トライコア(一般名:フェノフィブラート)はフィブラート系薬であり、高脂血症の治療で使用されている薬剤です。

 

規格

錠剤:53.3mg、80mg

(53.3mgと半端な規格となっている理由ですが、リピディルは以前カプセル剤で発売されていました。カプセル剤の規格は67mgと100mgだったのですが、改良製剤である現在の錠剤が発売され、カプセル67mgが錠剤53.3mgに、カプセル100mgが錠剤80mgに相当するため、このような規格となっています。)

 

適応症

高脂血症(家族性を含む)

 

 

用法用量

1日1回食後 106.6~160mg

1日160mgまで

 

 

禁忌

以下の患者には投与禁忌となっています。

・肝障害

・胆嚢疾患のある患者

・腎機能障害

(血清クレアチニン値:2.0mg/dL以上又はCcr40ml/min未満)

・妊婦又は妊娠の可能性のある女性

・授乳婦

 

 

フィブラート系薬剤はトリグリセライド(中性脂肪)の合成を抑制、分解を促進することで、中性脂肪を減少させます。

作用機序についてはこちらにまとめています。

yakuzaishi-info.hateblo.jp

 

 

特徴

第二世代フィブラートに分類され、フィブラート系の中では使用されることの多い薬剤です。

空腹時に服用すると吸収が悪くなるため、食後に服用します。

そしてリピディル(フェノフィブラート)は尿酸値低下作用ももちます。

 

 

 

 

尿酸低下作用について

リピディルには尿酸低下作用も報告されており、添付文書にも以下の記載があります。

 

 高尿酸血症を伴う高脂血症に対する成績

高尿酸血症を伴う高脂血症患者を対象に,本剤159.9mg〜160mgに相当する用量を1日1回8週間投与した試験において,改善率は78.3%(54/69例)であった.また,投与前に約8mg/dLであった尿酸値が投与8週後には約6mg/dLまで低下した.

 

詳しい機序は不明ですが、近位尿細管において尿酸トランスポーター(URAT1)を抑制して、尿酸の再吸収を抑制することで排泄が促進されると考えられています。

 

降圧薬になりますが、尿酸値を低下させる効果のあるARB(アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬)にニューロタン(一般名:ロサルタン)もあります。

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