リピディル/トライコア(フェノフィブラート)はフィブラート系薬であり、高脂血症の治療で使用されている薬剤です。
規格
錠剤:53.3mg、80mg
適応症
高脂血症(家族性を含む)
用法用量
1日1回食後 106.6~160mg
1日160mgまで
作用機序
フェノフィブラートは核内受容体であるPPARαに結合し活性化させます。
PPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α: peroxisome proliferator-activated receptor α)は肝臓や脂肪組織などで発現しており、脂質代謝に関与しています。
PPARαが活性化させることで、
①肝臓での中性脂肪(TG:トリグリセライド)の産生が抑制されます。
中性脂肪は肝臓でアセチルCoAから合成されます。
アセチルCoAから中性脂肪の合成にはアセチルCoAカルボキシラーゼという酵素が必要ですが、パルモディアはアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害して、アセチルCoAから中性脂肪の合成を阻害します。
また、
②LPL(リポ蛋白リパーゼ)が活性化され、中性脂肪(TG)の分解が促進されます。
筋肉や脂肪組織で作られ、血中や脂肪細胞に存在しています。
このようにリピディルは中性脂肪の合成を抑制、分解を促進することで、中性脂肪を減少させます。
禁忌
以下の患者には投与禁忌となっています。
・肝障害
・胆嚢疾患のある患者
・腎機能障害
(血清クレアチニン値:2.0mg/dL以上又はCcr40ml/min未満)
・妊婦又は妊娠の可能性のある女性
・授乳婦
特徴
第二世代フィブラートに分類され、フィブラート系の中では使用されることの多い薬剤です。
空腹時に服用すると吸収が悪くなるため、食後に服用します。
尿酸値低下作用ももちます。
尿酸低下作用について
リピディルには尿酸低下作用も報告されており、添付文書にも以下の記載があります。
高尿酸血症を伴う高脂血症患者を対象に,本剤159.9mg〜160mgに相当する用量を1日1回8週間投与した試験において,改善率は78.3%(54/69例)であった.また,投与前に約8mg/dLであった尿酸値が投与8週後には約6mg/dLまで低下した.
詳しい機序は不明ですが、近位尿細管において尿酸トランスポーター(URAT1)を抑制して、尿酸の再吸収を抑制することで排泄が促進されると考えられています。
違う薬効の薬ですが、尿酸値を低下させるARBにニューロタン(一般名:ロサルタン)もあります。