薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

カルボプラチン(CBDCA)とアナフィラキシーについて

カルボプラチン(CBDCA)は白金製剤に分類される抗悪性腫瘍薬です。

白金製剤は、構造中に白金(Pt)を含んでおり、DNA鎖間に架橋を形成しDNA合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。

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シスプラチンの構造を変化させ、シスプラチンとほぼ同等の効果を維持したまま、腎毒性や催吐作用の毒性を軽減した薬剤として開発されたのがカルボプラチンです。

 

カルボプラチンのクリアランスと糸球体濾過量(GFR)は相関関係があり、カルバート式を用いて投与量が決定されます。

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カルボプラチンはシスプラチンに比べて腎障害や催吐作用は軽減されていますが、骨髄抑制はシスプラチンよりも生じやすく、骨髄抑制はカルボプラチンの用量制限毒性となっています。

 

 

またカルボプラチンはショック・アナフィラキシーの報告もあり投与回数を重ねる毎に発現頻度は高くなります。

特に投与回数が8回を超えるとその傾向は顕著になると言われています。

 

 

卵巣がんや子宮体がんで使用されるTC療法はパクリタキセル(PTX)とカルボプラチン(CBDCA)が用いられます。

 

1、2回目で起こるアレルギーはパクリタキセルによるものであり、あらかじめ抗アレルギー薬などを投与することで予防ができます。

 

3回目からはアレルギー症状は起こりにくくなりますが、回数を重ねるごとに同じような症状が出てくることがあり、これはカルボプラチンによるものと考えられています。

 

 

TC療法に限らず、カルボプラチンの投与回数が8回を超えてくる場合は、患者にも違和感を感じたらすぐに申し出るよう再確認を行う必要があります。

 

 

 

 

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