ヘモグロビンA1c(HbA1c)とグリコアルブミン(GA)はどちらも血糖コントロールの指標となります。
HbA1c
基準値:4.3~5.8%
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します。
HbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンが、どのくらいの割合で糖(ブドウ糖)と結合しているかを示しています。
(ヘモグロビン:Hb は赤血球中のタンパクです)
糖が結合したヘモグロビンを、糖化ヘモグロビン(グリコヘモグロビン:HbA1c)と呼びます。
高血糖の状態だと血液中にブドウ糖が多く、ヘモグロビンと結合しやすくなります。
血糖コントロールが悪いと、たくさんの糖がヘモグロビンに結合して、HbA1cは高くなります。
赤血球の寿命は約120日です。
一度糖と結合すると、寿命が尽きるまで結合した状態が続きます。
赤血球の半寿命が60日であることから、過去1~2ヶ月程度の平均血糖値を知ることができます。
注意しなくてはいけないのは、最近の血糖値の平均ではないということです。
HbA1cだけでは、最近の血糖コントロールを知ることができません。
また、赤血球の寿命やアルブミン代謝に影響する疾患などがある場合は、HbA1c値は影響を受けるため、血糖コントロールの状態を反映した正確な数値とはなりません。
GA
基準値:11~16%
GA(グリコアルブミン)は、過去2週間程度の平均血糖値を反映します。
GAは血液中のタンパク質で一番多い、アルブミンがどのくらいの割合で糖(ブドウ糖)と結合しているかを示しています。
HbA1cと同じように、血液中のブドウ糖が多い、高血糖の状態が続くとアルブミンと糖が結合しやすくなりGAは高値となります。
アルブミンの半減期は17日前後と言われており、過去2週間程度の平均血糖値を知ることができます。
アルブミン代謝に影響する疾患などがあると、GAも影響を受けるため、血糖コントロールの状態を反映した正確な数値を知ることができません。
健康診断などでよく目にするのはHbA1cの方だと思います。
HbA1cは長期の血糖コントロールを知る上で重要な数値です。
検査前だけ生活習慣を正し、血糖値を良くできても、HbA1cは短期間で改善できません。
糖尿病の診断にもHbA1cが使用されます。
治療薬を変更したり、増減した場合に、短期の指標を知りたい場合はGAが優れています。
また、HbA1cはヘモグロビン代謝の影響を受けて偽高値、偽低値となる場合もあるので、その場合もGAが使用されます。
平均値ではなく、ある時点の血糖値についてはこちらです。