薬剤師情報局

薬剤師の学習記録です

リウマトレックス(メトトレキサート)と葉酸

リウマトレックス(一般名:メトトレキサート MTX)は抗リウマチ薬です。

 

リウマチの他、乾癬の治療で使用されることもあります。

 

 

 

 

ガイドラインでも推奨されており、リウマチ治療のアンカードラッグ(中心的薬剤)として使用されています。

 

 

リウマトレックスはジヒドロ葉酸還元酵素(ジヒドロ葉酸レダクターゼ:DHFR)を阻害することで、葉酸の合成を阻害して炎症細胞の増殖を抑制しています。

 

 

 

DNAの原料は葉酸です。

細胞増殖に必要な葉酸代謝を阻害することで、リンパ球(T細胞、B細胞)や滑膜細胞などの増殖を抑制します。

 

 

以下は葉酸代謝経路です。

 葉酸 → ジヒドロ葉酸(DHF) → テトラヒドロ葉酸(THF)→→ 核酸合成

     ↑              ↑

 葉酸還元酵素    ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)

           【リウマトレックスが阻害】

 

 

 

もう少し詳しい作用機序はこちらにまとめています。

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リウマトレックスは葉酸の働きを阻害することで効果を発揮する薬剤です。

葉酸の働きが阻害されることで、口内炎、悪心、下痢、肝機能障害などが起こる場合があります。

 

これらの副作用は葉酸を服用することで軽減することができます。

 

葉酸を服用するタイミングは、リウマトレックスを服用した24~48時間後(1~2日後)に週1回だけ服用するのが一般的です。

(リウマトレックスも毎日服用せず、週に1~3回服用する薬剤です。)

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リウマトレックスが効き過ぎないように、葉酸でブレーキをかけるイメージです。

葉酸のタイミングをずらすのは、リウマトレックスの効果を減弱しすぎないようにするためです。

 

 

葉酸製剤にはフォリアミン(錠剤:1錠中に葉酸5mg)があります。

 

 

リウマトレックスの量が増えるほど、副作用が生じる可能性が高くなります。

一般的に、リウマトレックスを8mg/週以上服用する場合は、副作用予防のため、葉酸製剤(フォリアミン)を5mg/週服用します。

 

腎機能が低下している場合は副作用が生じやすくなるため、リウマトレックスの量が少量でも葉酸を服用することがあります。

 

 

 

このように葉酸はリウマトレックスの働きを抑制します。

 

葉酸サプリメントや健康食品に含まれていることが多く、リウマトレックス服用中はこういったものを摂取していないか注意が必要です。

 

葉酸を多く含む食品(ほうれん草、ブロッコリー、枝豆など)もありますが、サプリメントほどの量は含まれていないので、通常の摂取量であれば制限の必要はありません。

 

 

 

 

 

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