薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

アルロイドG(アルギン酸ナトリウム)の注意点

アルロイドG(一般名:アルギン酸ナトリウム)は消化性潰瘍用剤です。

胃の粘膜を保護したり、胃の出血を止める作用があります。

 

 

 

適応症

下記疾患における止血及び自覚症状の改善

 胃・十二指腸潰瘍、びらん性胃炎

逆流性食道炎における自覚症状の改善

胃生検の出血時の止血

 

 

 

 

用法用量

胃・十二指腸潰瘍、びらん性胃炎における止血及び自覚症状の改善

逆流性食道炎における自覚症状の改善

 1回20~60ml(1~3g) 1日3~4回 空腹時投与

 経口摂取が不可能な場合には、ゾンデで経鼻的に投与する

 

 

胃生検の出血時の止血

 1回10~30ml(0.5~1.5g)を経内視鏡的に投与するか、1回30mlを(1.5g)を経口投与する

 

 

(ゾンデ:金属あるいはゴムでできた細い管状の医療器具。鼻から胃内へ挿入するものはマーゲンチューブとも言われる。)

 

 

 

 

 

作用機序

有効成分である「アルギン酸ナトリウム」は、昆布などに含まれる多糖類であり、食物繊維の一種です。

 

食品分野では、安定剤、増粘剤、ゲル化剤などの食品添加物として利用されています。

 

そして、胃炎や胃潰瘍、胃出血に使用できるようにしたのがアルロイドGです。

 

 

 

アルロイドGには2つの作用があります。

 

・粘膜保護作用

アルロイドGが胃の粘膜に付着して、攻撃因子(胃酸)による攻撃から患部を守ります。

患部を被覆することで保護作用を発揮します。

 

 

・止血作用

血小板凝集、赤血球凝集、フィブリン形成促進作用により、胃粘膜の出血を抑える作用もあります。

 

 

 

傷付いた部位にバリアーを張って、攻撃から守り、傷の修復を早めるイメージです。

 

「防御因子増強薬」に分類されます。

 

 

 

 

空腹時投与について

胃の粘膜に直接付着して効果を発揮するので、胃に食べ物が無い状態の空腹時に服用します。

食前や食間、就寝前に服用することで、しっかりと効果が得られます。

 

 

 

 

注意点

付着した薬剤を流れ落ちにくくするため、できれば服用した後、4~5分は水を飲まないことが望ましい。

 

開封後は冷蔵庫で保管をする。

 

飲みにくい場合は、冷蔵庫で冷やすと飲みやすくなるが、水で薄めて服用したりしない。

 

アルロイドGは食物繊維の一種であるため、消化管からほとんど吸収されず、副作用の少ない安全性が高い薬剤です。

 

 

 

 

 

yakuzaishi-info.hateblo.jp