ムコスタ点眼液UD2%(有効成分:レバミピド)はドライアイ治療に使用される薬剤です。
防腐剤を含んでいない、1回使い切りタイプのユニット・ドーズ製剤です。
UDは Unit Dose の略です。
有効成分である「レバミピド」は、胃炎治療薬のムコスタ錠(一般名:レバミピド)と同一成分です。
ムコスタ錠は胃を守る粘膜の分泌を促したり、粘膜の血流を改善することで防御因子を高め、胃潰瘍を治療します。
ムコスタ錠の胃粘膜における「ムチン増加作用」に着目され、点眼薬に応用されたものがムコスタ点眼液です。
規格
0.35ml/本 (1ml中レバミピド30mg)
適応症
ドライアイ
用法用量
1回1滴 1日4回
ドライアイとは
ドライアイは涙の量や質の異常により眼を保護する能力が低下してしまいます。
涙による角膜を保護する力が低下すると角膜上皮障害が生じて、眼がゴロゴロする、眼を開けているのがつらくなる、かすみ眼等の症状が生じてきます。
これらはドライアイの代表的な症状ですね。
ムチンとは
ムチンは糖とタンパク質が結合した多糖類の一種で、粘液性の物質です。
動物の上皮性細胞、粘膜、唾液線などから分泌される粘液には、ムチンが含まれています。
口腔、消化管や目の表面は粘液に覆われているので、ムチンに覆われているとも言えます。
ムチンは高い保水力を持っています。
目において、ムチンの分泌量が増えることで、目の表面の保水性が高まりドライアイが改善されます。
作用機序
ムコスタ錠の胃粘膜における「ムチン増加作用」に着目され、点眼薬に応用されたものがムコスタ点眼液でした。
ムチンは涙が目の表面に留まるのに重要な物質です。
ムコスタ点眼液は結膜と角膜のムチン産生を促進することで、涙の質を改善してドライアイを治療します。
結膜において、ムチンを産生している「ゴブレット細胞」の数を増やし、ムチンの量が増加します。
その結果、結膜の上皮障害も改善していきます。
角膜では、角膜上皮細胞のムチン遺伝子発現を更新することで、細胞内のムチンの量が増加します。
また、角膜上皮細胞の増殖も促進します。
ムチン量が増えたことで、涙液が安定して上皮に保たれるようになり、上皮障害が修復されていきます。
このように、ムコスタ点眼液はムチンの分泌量を増やすことで涙液を安定化し、ドライアイ症状を改善していきます。
ムコスタ点眼液の使い方と注意点についてはこちらです。
その他のドライアイ治療点眼
ムコスタ点眼は上皮(粘膜)に作用して、涙と粘膜の異常を改善する点眼薬です。
ジクアス点眼液(一般名:ジクアホソルナトリウム)は涙液に働きかける点眼薬で、涙の量と質を改善します。