診察室の血圧が正常であっても、家庭での血圧が高い仮面高血圧は家庭で血圧測定をしていないと見過ごされてしまいます。
毎日リラックスした状態で定期的に血圧測定をすることにより、信頼性の高い血圧情報になります。
記録を付けておくことで医師には診断の材料になり、病院の血圧測定だけでは判りにくい、仮面高血圧や白衣高血圧を見つけることができます。
薬を服用中の方では、どのくらい血圧コントロールができているかが判断できます。
家庭で測定する方がリラックスして測定できるため、診察室血圧よりも低めになる傾向があります。(仮面高血圧の方は逆)
診察室血圧
≧140/90mmHg
家庭血圧
≧135/85mmHg
高血圧の基準はそれぞれ上記のようになっています。
家庭血圧の基準の方が低めになっていますね。
では家庭での正しい血圧測定についてみていきましょう。
1 朝と夜に測定する
1日2回朝夜に測定をします。
なるべく時間を決めて同じ状態で測定しましょう。
1日2回が難しければ朝の測定だけでも行うようにしましょう。できれば1日2回測定してください。
2 朝の測定は、起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服用前に
トイレを我慢していると血圧の上昇につながりますので排尿後に測定をします。
食事をしても血圧は上がりますので、食事の前に測定を行ってください。
3 夜の測定は就寝前に、食事や入浴後を終わらせた状態で
夜の血圧も食事の影響を受けないように食後時間をあけましょう。
飲酒や入浴も血圧の上昇につながりますので、時間をあけてください。
4 座った状態で1~2分安静にした後で測定する
リラックスした状態で測定するために朝晩ともに測定の際は、椅子に座って1~2分安静にしてから測定してください。
5 上腕用の血圧計を使用する
心臓に近い位置の方が正確に測定できるので上腕用がおすすめです。
手首や指先で測定するタイプは簡便ですが、正確性では上腕用に劣ります。
ここからはさらに細かい点について述べていきます。
・測定箇所を心臓の高さに合わせる
心臓より低い位置で測定すると血圧は上がり、高い位置ですと血圧は下がっていまいます。上腕式では自然に心臓の位置で測定できますが、手首式では注意が必要です。
・測定姿勢に注意
前屈みでも血行が悪くなってしまうので、説明書に書いてあるようにきちんとした姿勢で測定しましょう。
・測定はどちらの腕でもよい
左右どちらの腕で測定しても構いませんが、測りやすさから利き腕と逆の腕で測定した方が測りやすいでしょう。もし左右で差がある場合は高く出る方の腕で測定をしてください。
・連続して測定する際はカフを一度ゆるめてから
続けて測るときは一度カフを外して、腕を上げたり、手を握ったり開いたりして血行が整ってから測定します。
・衣服の影響を受けないようにする
冬場など厚手の服を着た状態で測定をすると正確に測れなくなってしまいます。
・不調時にも測定する
1日2回時間を決めて測定するのとは別に、不調時にも測定をするようにしてください。
・平均をとる
1度に2回測定することで、より正確な測定値になります。
血圧計を装着してすぐに測ると高めにでてしまうことがあり、計り直して下がっていく場合は高めに出た数値は無視しても構いません。
以上のことを踏まえて測定した血圧の結果を医師に見せるようにしましょう。
血圧手帳でグラフも付けると視覚的にも血圧の変動が判るのでおすすめです。
まとめ
・朝と夜に測定する
・朝の測定は、起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服用前に
・夜の測定は就寝前に、食事や入浴後を終わらせた状態で
・座った状態で1~2分安静にした後で測定する
・上腕用の血圧計がおすすめ