CHADS2(チャッズ・ツー)スコアという言葉を耳にしたことはありますでしょうか。
CHADS2スコアは、非弁膜症性心房細動における脳梗塞発症のリスク評価方法として用いられています。
各項目の頭文字を1つずつ取り、全部で5項目あります。
Congestive heart failure
Hypertension
Age≧75y
Diabetes mellitus
Stroke/TIA
これらの頭文字であり、各項目ごとに1~2点が配点されています。
・心不全(C) 1点
・高血圧(H) 1点
・年齢≧75歳(A) 1点
・糖尿病(D) 1点
・脳梗塞やTIAの既往(S2) 2点
※TIA:一過性脳虚血発作
これらの点数を合計し、心房細動患者における脳梗塞発症のリスクを0~6点で評価します。
このCHADS2スコアの増加とともに、脳梗塞の発症率が高くなることが解っています。
CHADS2スコアが2点以上だと、年間脳梗塞発症率が4%以上と言われています。
心房細動による脳梗塞の発症予防にはワルファリン(ワーファリン)やDOACが使用されます。
CHADS2スコアが
2点以上 1点
推奨 推奨
・ダビガトラン(プラザキサ) ・ダビガトラン(プラザキサ)
・リバーロキサバン(イグザレルト) ・アピキサバン(エリキュース)
・アピキサバン(エリキュース)
・エドキサバン(リクシアナ) 考慮可
・ワルファリン(ワーファリン) ・リバーロキサバン(イグザレルト)
70歳未満 INR 2.0~3.0 ・エドキサバン(リクシアナ)
70歳以上 INR 1.6~2.6 ・ワルファリン(ワーファリン)
70歳未満 INR 2.0~3.0
70歳以上 INR 1.6~2.6
しかし、0点の場合でも「その他のリスクとして」
心筋症
65≦年齢≦74
が該当する場合は
考慮可
・ダビガトラン(プラザキサ)
・リバーロキサバン(イグザレルト)
・アピキサバン(エリキュース)
・エドキサバン(リクシアナ)
・ワルファリン(ワーファリン)
70歳未満 INR 2.0~3.0
70歳以上 INR 1.6~2.6
いずれかの抗凝固薬が「考慮可」となります。
このように、非弁膜症性心房細動の患者に抗凝固薬を投与するかどうか、CHADS2スコアでリスク評価を行い投与を決定します。
また、弁膜症性心房細動(僧帽弁狭窄症や人工弁置換術後)の患者では、ワルファリン(INR:2.0~3.0)の投与が推奨されています。
まとめ
・CHADS2スコアは非弁膜症性心房細動の患者における、脳梗塞発症のリスク評価方法である
・5項目の点数を合計し、点数が高い程、脳梗塞発症のリスクが高くなる
・0点の場合でも「その他のリスク」に該当すれば抗凝固薬が使用される場合があ