アピキサバン(エリキュース)はDOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)の一種です。
DOACの作用機序については以下にまとめています。
投与の基準になるCHADS2スコアについてはこちらです。
DOACは抗凝固薬であり、過量投与となってしまうと危険な薬剤です。
アピキサバン(エリキュース)の投与量についてまとめたいと思います。
適応症
・非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
用法用量
「非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」
→ 1回5mgを1日2回
年齢、体重、腎機能に応じて1回2.5mg1日2回に減量する
次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高くなるため
1回2.5mg1日2回に減量します。
・80歳以上
・体重60kg以下
・血清クレアチニン1.5mg/dL以上
15mL/min未満 投与しないこと
(15~50mL/min 出血のリスクが高くなっており注意が必要)
「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」
→ 初期7日間は1回10mg1日2回投与(出血には十分注意する)
その後は1回5mg1日2回投与
30mL/min未満 投与しないこと
(30~50mL/min 出血のリスクが高くなっており注意が必要)
このようにリバーロキサバン(イグザレルト)と同様、疾患によって減量基準が変わりますのでご注意ください。
リバーロキサバンとは異なり、併用注意薬はありますが、併用禁忌薬はありません。
腎排泄率は27%です。
肝機能障害がある方に対しても投与制限の記載はありません。
(重度の肝機能障害がある方に対しては使用経験がないため、注意が必要です。)
妊娠中の方に対しては有益性投与となっています。
動物実験で乳汁中への移行が報告されているので授乳はしないことが望ましいです。
リバーロキサバン(イグザレルト)の用量についてはこちらです。