一番初めに発売されたARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)であるロサルタン(ニューロタン)。
その関係か降圧力は他のARBに比べて弱いと言われています。
しかしロサルタンは尿酸排泄作用もあるARBです。
ARBは降圧力の増大を期待して、チアジド系利尿剤と併用(合剤)されることがあります。
ロサルタンの尿酸排泄作用は、尿酸値を上昇させてしまう利尿剤との併用では有利に働きます。
合剤のプレミネント配合錠(ロサルタン/ヒドロクロロチアジド)も、降圧力増加だけでなく尿酸値上昇の副作用軽減にもつながり、とても相性の良い組み合わせとなっています。
機序としては、近位尿細管で尿酸の再吸収を行う尿酸トランスポーター(URAT1:urate transporter 1)を阻害するため、尿酸が排泄されやすくなり尿酸値が低下します。
尿酸排泄促進薬であるブロマロン(ユリノーム)やプロベネシド(ベネシッド)と同じ機序で尿酸を排泄させているんですね。
またロサルタンには2型糖尿病における糖尿病腎症の適応もあります。
尿蛋白を増加させないようにし、腎臓の障害を低下させます。こうした腎保護作用が認められており、糖尿病性腎症の適応を持っているARBです。
降圧力では他のARBよりも劣るとされながらもこうした副次的な作用から、一番古いARBですが現在も処方され続けています。
降圧力が強くないということは血圧の変動が他の薬剤に比べて生じにくいので、血圧を下げたくない患者の腎保護効果のみを期待して使用するケースもあるようです。
特にロサルタン25mgの半錠といった処方は、そうしたものを期待してではないでしょうか。
ARBは全部で7成分が発売されていますが、ロサルタンはこのような特徴を持っており今後も使用されていく薬剤であると思います。
違う薬効の薬ですが、リピディル(一般名:フェノフィブラート)にも尿酸低下作用があります。
まとめ
・ロサルタンには尿酸排泄作用がある
・尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害するため、尿酸が排泄される
・腎保護作用が認められており、2型糖尿病における糖尿病腎症の適応もある