エドキサバン(リクシアナ)はDOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)の一種です。
DOACの作用機序については以下にまとめています。
投与の基準になるCHADS2スコアについてはこちらです。
DOACは抗凝固薬であり、過量投与となってしまうと危険な薬剤です。
エドキサバン(リクシアナ)の投与量についてまとめたいと思います。
適応症
・非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
・下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術
用法用量
「非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」
「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」
→ 通常、成人には以下の用量を1日1回投与する。
・体重60kg以下 30mg
・体重60kg超 60mg
なお、腎機能、併用薬に応じて1日1回30mgに減量する
30≦Ccr≦50 30mgを1日1回
15≦Ccr<30 投与の適否を慎重に判断。投与する場合は30mg1日1回
15<Ccr 投与しない
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤を併用する場合
・キニジン硫酸塩
・ベラパミル(ワソラン)
・エリスロマイシン(エリスロシン)
・シクロスポリン(ネオーラル/サンディミュン)
併用する場合は30mgを1日1回
・アジスロマイシン(ジスロマック)
・イトラコナゾール(イトリゾール)
・ジルチアゼム(ヘルベッサー)
・アミオダロン(アンカロン)
・HIVプロテアーゼ阻害薬
治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、併用が適切と判断される患者にのみ併用すること。
併用する場合には、30mgを1日1回。
このように、
・体重60kg未満
・Ccr≦50
・P糖蛋白阻害作用のある薬剤を併用している場合
のどれかに該当する場合には1回30mgに減量します。
「下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術」
→ 通常、成人には30mgを1日1回投与する
30≦Ccr≦50
個々の患者の静脈血栓塞栓症発現リスク及び出血リスクを評価した上で
15mg1日1回に減量
30<Ccr 投与しない
P糖蛋白阻害作用を有する薬剤を併用する場合は
15mg1日1回に減量
腎排泄率は48.6%と高めです。
高度の肝機能障害がある方は禁忌ではありませんが、凝固因子の産生が低下していることがあり、出血の危険性が増大するおそれがあり注意が必要です。
妊娠中の方には有益性投与となっていますが、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されています。
授乳に関しては、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること、とされています。
こちらも動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されています。
リバーロキサバン(イグザレルト)の用量についてはこちらです。
アピキサバン(エリキュース)の用量についてはこちらです。