リバーロキサバン(イグザレルト)はDOAC(直接経口抗凝固剤=Direct Oral Anti Coagulants)の一種です。
DOACの作用機序については以下にまとめています。
投与の基準になるCHADS2スコアについてはこちらです。
DOACは抗凝固薬であり、過量投与となってしまうと危険な薬剤です。
リバーロキサバン(イグザレルト)の投与量についてまとめたいと思います。
適応症
・非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・深部静脈血栓症(DVT)及び肺血栓塞栓症の治療及び発症抑制
用法用量
「非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」
→ 15mgを1日1回食後投与
腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する
腎機能に応じて減量基準があります。
30~49mL/min 10mg 1日1回
15~29mL/min 投与を慎重に検討し、投与する場合は10mg1日1回
15mL/min未満 投与しないこと
→ 初期3週間は15mgを1日2回食後投与(出血のリスクに十分注意)
その後は15mgを1日1回
こちらも腎機能に応じた減量基準があります。
30~49mL/min 投与を慎重に検討し、投与する場合は15mg1日1回
29mL/min未満 投与しないこと
このように疾患によって、減量基準が変わりますので注意が必要です。
未変化体の尿中排泄率は約36%です。
代謝には主にCYP3A4が関与しており、一部2J2により代謝されます。
中等度以上の肝障害がある方(Child-Pugh分類B又はCに相当)には投与禁忌となります。
また妊娠中の女性にも投与禁忌の薬剤となっています。
以下、併用禁忌薬剤です。
併用禁忌
HIV治療薬
・リトナビル(ノービア)
・ロピナビル+リトナビル(カレトラ)
・アタザナビル(レイアタッツ)
・ダルナビル含有製剤(プリジスタ、シムツーザ)
・ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
・コビシスタット含有製剤(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス)
経口 アゾール系抗真菌薬
・イトラコナゾール(イトリゾール)
・ボリコナゾール(ブイフェンド)
・ミコナゾール(フロリード)
HIVプロテアーゼ阻害剤、コビシスタット含有製剤はCYP3A4及びP糖タンパクを強力に阻害し、アゾール系抗真菌薬もCYP3A4を強力に阻害するため併用禁忌となっています。
アピキサバン(エリキュース)の用量についてはこちらです。
エドキサバン(リクシアナ)の用量についてはこちらです。