イソバイドシロップ(有効成分:イソソルビド)は浸透圧利尿剤であり、メニエール病の治療等に使用されている薬剤です。
適応症
・脳腫瘍時の脳圧降下、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧降下
イソソルビドは服用後、速やかに吸収され血漿浸透圧を上昇させます。
血漿浸透圧が上昇するため、組織や細胞内の水分を血液中に引き込みます。
また、水分を血液中に増やすので腎血流量が増え、さらにイソソルビドは尿細管から再吸収されにくい性質を持つので、水の再吸収も減らすことで利尿作用を示します。
組織から水を引き込む作用により、脳浮腫や内耳の内リンパ水腫、緑内障を改善し
腎血流量を増やし、尿細管にて再吸収されにくい性質から利尿作用を発揮する薬剤です。
このイソバイドシロップですが、独特な風味のため服用が難しい薬剤の1つです。
添付文書には
「初め甘みと酸味があり、後やや苦い」
と記載されています。
独特の甘みや酸味、苦味があり飲みにくいと言われる患者さんが多いです。
添付文書の用法用量の欄に
「必要によって冷水で2倍程度に希釈して経口投与する」
と書かれています。
希釈して、さらに冷やすことで味を感じにくくするためです。
それでも飲みにくい場合に飲みやすくなると言われている対処法です。
・氷で冷却する(冷水よりもさらに冷やすため)
・レモン汁をかける
・ジュース類と混ぜる
特にジュース類との混合では、酸味があるオレンジジュースのような飲料だと相性が良いと言われています。
また、オレンジジュース程ではありませんが、コーラやスポーツドリンクでも服用しやすさが改善したそうです。
飲みにくさはコンプライアンスに大きく影響してしまいます。
上記の方法で効果があるかどうかは個人差もありますが、患者さんに飲みやすくする方法を説明する際の参考にしていただければと思います。