薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)の使い方

ノルスパンテープ(ブプレノルフィン)は経皮吸収型の持続性疼痛治療剤です。

 

作用機序についてはこちらです。

 

 

今回はノルスパンテープの使い方についてです。

 

規格には

5mg、10mg、20mgがあります。

 

 

   用法用量

前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、7日毎に貼り替えて使用する。
初回貼付用量は5mgとし、その後の貼付用量は患者の症状に応じて適宜増減するが、20mgを超えないこと。

 

   増量方法

  初回貼付

・5mgを7日間継続使用する

・5mgで十分な効果が得られた場合、用量を5mgに決定し継続する

・副作用が発現し、継続が困難である場合は中止を検討する

 

  5mg→10mg

・5mgを7日間継続し、十分な鎮痛効果が得られなかった場合は10mgに増量する

・10mgで十分な効果が得られた場合、用量を10mgに決定し継続する

・10mgに増量後、副作用が発現し、継続が困難である場合は減量を検討する

 

  10mg→20mg

・10mgを7日間継続し、十分な鎮痛効果が得られなかった場合は20mgに増量する

・20mgで十分な効果が得られた場合、用量を20mgに決定し継続する

・20mgに増量後、副作用が発現し、継続が困難である場合は減量を検討する

・20mgで十分な鎮痛効果が得られない場合は、他の鎮痛療法の追加もしくはノルスパンテープ以外の鎮痛療法への切り替えを検討する

 

 

  〇 5mg→10mg→20mg

    5mg→10mg→5mg

 

  ✕ 5mg→20mg

    5mg→5mg→20mg

    5mg→10mg→20mg→5mg

 

 

 

   貼付方法

ノルスパンテープは前胸部、上背部、上腕外部又は側胸部に貼付し、それ以外の場所には貼付できません。

胸か胸の横、首裏の付け根から肩甲骨の間、上腕の外側に使用します。

腰や膝といった十分な吸収性が確認されていない場所に貼付すると、効果が得られない場合があります。

 

体毛の無い部位に貼付することが望ましいですが、体毛のある部位に貼付する場合はカミソリや除毛剤を使用せず、ハサミを用いて除毛します。

 

貼る場所は石けんやアルコール、ローション等を使用せず、乾いたタオルなどで水分をしっかり拭き取り清潔にしてから貼付します。

 

カミソリや除毛剤、石けん、アルコール、ローションなどを使用するとノルスパンテープの吸収に影響を与えるおそれがあるので、使用は避けるようにします。

 

皮膚刺激を避けるため、貼付部位は毎回変えるようにします。

血中濃度が上昇するおそれがあるので、同じ場所に使用する際は3週間以上の間隔をあけてから使用します。

 

 

ハサミは使用せずに手で包装袋を破ってノルスパンテープを取り出します。

テープはハサミで切って使用することもできません。

 

貼付後、約30秒間手のひらでしっかり押さえ、ノルスパンテープの縁の部分が皮膚面に完全に接着するようにします。

 

剥がれかけた場合は、再度手で押さえて固定するか、絆創膏のような皮膚用テープなどで固定します。

粘着力が弱くなってしまった場合は、剥がして新しいノルスパンテープを使用します。

貼り替えたものは7日間使用し、現在の貼付部位とは異なる場所に貼付します。

 

 

使用済みのノルスパンテープは粘着面を内側にして貼り合わせてから廃棄をします。

 

 

注意点についてはこちらにまとめています。

yakuzaishi-info.hateblo.jp

 

 

 

 

 

 

yakuzaishi-info.hateblo.jp