アリムタ(ペメトレキセド:PEM)は葉酸拮抗薬であり、がん治療に使用されている薬剤です。
葉酸に似た構造をしており、葉酸と同じように代謝を受けることで、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)やチミジル酸合成酵素(TS)など複数の葉酸代謝酵素を阻害することでDNA合成を抑制し抗腫瘍効果を発揮します。
適応症
アリムタ(ペメトレキセド)の主な有害事象では、悪心や嘔吐、腎機能障害、皮疹などがあります。
そして、アリムタ(ペメトレキセド)を投与する際は、副作用予防として必ず葉酸とビタミンB12を投与します。
アリムタ(ペメトレキセド)は複数の葉酸代謝酵素を阻害することで抗腫瘍効果を発揮しますが、その影響で必要な葉酸やビタミンB12が不足してしまいます。
葉酸やビタミンB12が欠乏すると、ホモシステインやメチルマロン酸の血中濃度が上昇し、重篤な副作用を起こすおそれがあります。
ホモシステインは葉酸やビタミンB12などにより代謝されメチオニンへと代謝されますが、アリムタの影響で葉酸などが不足するとホモシステインが代謝されずに増加し、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞へつながるおそれがあります、
メチルマロン酸も変換を受ける際に、ビタミンB12が補因子として必要であり、ビタミンB12が不足することでメチルマロン酸が増加しアシドーシスなどを引き起こすおそれがあります。
ホモシステインやメチルマロン酸の血中濃度を低下させるために、葉酸やビタミンB12を投与して副作用を回避します。
葉酸の開始時期
アリムタ初回投与の7日以上前から葉酸として1日1回0.5mgを連日経口投与する。
なお、アリムタの投与を中止又は終了する場合には、アリムタ最終投与日から22日目まで可能な限り葉酸を投与する。
葉酸1日1回0.5mgの用量で投与できる薬剤ではパンビタン末があります。
ビタミンB12の開始時期
アリムタ初回投与の少なくとも7日前に、ビタミンB12として1回1mgを筋肉内投与する。
その後、アリムタ投与期間中及び投与中止後22日目まで9週ごと(3コースごと)に1回投与する。
経口薬で代用することはできません。