薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ウラリット(クエン酸K・クエン酸Na配合)の作用機序

ウラリット(クエン酸カリウムクエン酸ナトリウム配合)は、酸性尿やアシドーシスの治療に使用されるアルカリ化療法剤です。

 

 

  適応症

痛風並びに高尿酸血症における酸性尿の改善

・アシドーシスの改善

 

 

クエン酸塩はアシドーシスや酸性尿の改善に有効であり、古くから使用されてきました。

 

ウラリットはクエン酸カリウムクエン酸ナトリウムが1:1の等モル配合されており、電解質バランスに影響を及ぼしにくいと言われています。

 

 

ウラリットは肝TCAサイクル(クエン酸回路)で代謝され、その代謝産物の重炭酸イオン(HCO3-)が炭酸脱水酵素により生成されます。

 

重炭酸イオン(HCO3-)はアルカリ性物質であり、酸(H+)を中和します。

 HCO3- + H+ → H2CO3 → H2O + CO2

 

重炭酸イオン(HCO3-)は、血液中ではアシドーシスの改善に働き、

尿中では酸性尿の改善に働きます。

 

 

腎臓はこの酸を中和する重炭酸イオンの再吸収したり、栄養素の代謝で生じた余分な酸を尿から排泄したりしています。

 

腎臓のこの働きにより体内の酸、アルカリのバランスが取られていますが、腎機能が低下した方ではアシドーシスという酸性側に傾いた状態になってしまいます。

 

また、酸性尿では尿酸結石やシスチン結石が生じやすくなってしまいます。

尿酸値が高い方では尿が酸性になりやすいです。

 

 

ウラリットはこのような作用機序により、アシドーシスや酸性尿を改善する薬です。

 

 

 注意点についてはこちらです。

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