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プロトピック軟膏(タクロリムス)の強さ

プロトピック軟膏(有効成分:タクロリムス)アトピー性皮膚炎の治療に使用される軟膏剤です。

 

ステロイド外用薬と並んでアトピー性皮膚炎の治療に使用されています。

有効成分のタクロリムスは免疫抑制薬に分類され、ステロイドとは異なる機序のお薬です。

 

タクロリムスは細胞内のカルシニューリンの活性化を阻害することで、シグナル伝達を阻害します。

カルシニューリンが活性化されないため、ヘルパーT細胞によるIL-2などの産生が抑制されます。

IL-2はT細胞を活性化しますが、タクロリムスが抑制することで免疫抑制作用を示します。

 

タクロリムスは臓器移植後の拒絶反応予防薬として使用されていましたが、そこからアトピー性皮膚炎の治療薬として作られたのがプロトピック軟膏です。

局所に作用するため、免疫抑制剤による全身性の副作用は生じにくいものとなっています。

 

使用上の注意として

ステロイド外用剤等の既存療法では効果が不十分又は副作用によりこれらの投与ができないなど、本剤による治療がより適切と考えられる場合に使用する。」

と記載されています。

 

ステロイド外用薬の長期使用により、皮膚が薄くなるなどの副作用が生じてしまうおそれがあります。

最初にステロイド外用薬を使用し、症状が軽快した後にプロトピック軟膏に切り替えて使用したり、ステロイド外用薬が使いにくい眼の周囲に用いたりする場合があります。

 

再発を防ぐため、長期間使用する場合もステロイド外用薬では副作用の心配がありますが、プロトピック軟膏に切り替えると続けて使用しやすくなります。

 

プロトピック軟膏には、

成人用の0.1%

小児用の0.03%

があります。

 

成人用の0.1%の方は、ステロイドのクラスⅢ群(strong)と同程度と言われています。

このクラスには

・リンデロンV(ベタメタゾン吉草酸エステル)

・ボアラ(デキサメタゾン吉草酸エステル)

・メサデルム(デキサメタゾンプロピオン酸エステル)

・フルコート(フルオシノロンアセトニド)

などが該当します。

 

小児用の0.03%の方は、ステロイドのクラスⅣ群(mild)と同程度と言われています。

このクラスには

・ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)

・キンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)

・アルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)

・リドメックス(プレドニゾロン吉草酸エステル酪酸エステル)

などがあります。

 

首や顔の皮膚は薄いため、基本的にクラスⅢ以上のステロイドは控えた方が良いとされています。

クラスⅣのステロイドで効果不十分の場合や、長い期間顔や首に使用する際にプロトピック軟膏が使用されるケースがあります。

 

使い始めに生じやすい皮膚刺激感についてはこちらです。 

 

  まとめ

・プロトピック軟膏(有効成分:タクロリムス)はステロイド外用薬とは異なる機序をもつアトピー性皮膚炎治療薬である

・プロトピック軟膏0.1%はステロイドクラスⅢ(strong)と同程度である

・プロトピック軟膏0.03%はステロイドクラスⅣ(mild)と同程度である

 

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