アルファロール内用液(有効成分:アルファカルシドール)は活性型ビタミンD3製剤であり、カルシウムの吸収を促進します。
活性型ビタミンD3については以前にこちらで述べています。
アルファロール(アルファカルシドール)にはカプセル、散剤の剤型がありましたが、内服液が新たに加わりました。
適応症はいずれも同じで
下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善
慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症
となっており、疾患により用量が異なります。
慢性腎不全、骨粗鬆症の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1.0μgを経口投与する。
副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして1.0〜4.0μgを経口投与する。
(小児用量)
通常、小児に対しては骨粗鬆症の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.01〜0.03μg/kgを、
その他の疾患の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与する。
このようなスポイトが付いており、これを使用して投与します。
1滴(0.02mL)はアルファカルシドール約0.01μgに相当し、目盛0.5、1.0はそれぞれ約0.25μg、0.5μgに相当します。
適用上の注意に
「投与量は、添付のスポイトを用い、目盛により正確に量るか、滴数(通常本剤1滴はアルファカルシドール約0.01μgに相当)を正確に量ること。」
と記載されています。
アルファロール内用液の溶媒が食用油の一種である中鎖脂肪酸トリグリセリドであるため水やシロップに溶けないものとなっています。
また、有効成分の量が非常に微量であるため希釈をしてしまうと正確な服用ができなくなってしまいます。
このような理由から、アルファロール内用液は希釈したりせず、添付のスポイトで指示された滴数、またはmLを服用します。
アルファロール内用液の乳幼児への飲ませ方はこちらです。
アルファロール内用液は褐色瓶で保管をするようにします。
透明瓶で保管した場合、褐色瓶で保管した場合に比べて、残存率が低下してしまうことが報告されています。
また、先ほど述べたアルファロール内用液の溶媒に使用されている中鎖脂肪酸トリグリセリドが、一部プラスチックを変質、脆化して壊れやすくなってしまうことが解っています。
そのため、保管にはプラスチックは使用せず、褐色瓶に保管をするようにします。
メーカーに連絡をすれば、小分け用の褐色瓶とスポイトを分けてもらうことができます。
まとめ
・アルファロール内用液は透明瓶の保管では含量低下が生じやすい
・添加物である中鎖脂肪酸トリグリセリドがプラスチックを変質、脆化してしまう
・保管は褐色瓶で行う