タムスロシン(ハルナール)にはOD錠やカプセルの剤型があります。
タムスロシンは前立腺肥大症の治療で使用される、第2世代αブロッカーですね。
タムスロシンOD錠は水なしでも服用できる、口腔内崩壊錠です。
(OD錠:Oral Disintegration)
ラムネ菓子のように溶ける薬のことですね。
「OD錠」や「D錠」といったものが該当します。
口の中で速やかに水分を吸収して、崩壊します。
OD錠は唾液や少しの水ですぐに溶けるので、嚥下する力の低下した高齢者方にも服用しやすい剤型となっています。
また、少ない水で服用ができるので、水分制限のある透析中の方や、夜間のお手洗いが気になるので少量の水で服用したい方などにも有利に働く剤型です。
普通の錠剤と同じように水で服用することもできます。
ただ、溶解後、口の粘膜からは吸収されませんので、唾液か水で飲み込む必要があります。
口の中で溶かして服用ができるOD錠ですが、タムスロシンOD錠は噛み砕いて服用しないように記載がされている薬剤です。
タムスロシンOD錠には徐放性粒が含まれており、水分で溶かして服用するのは問題ありませんが、噛み砕いてしまうとこの徐放性粒が壊れて薬物動態が変わる可能性があるからです。
徐放性が失われ、血中濃度の急激な上昇が生じるのを防ぐためです。
血中濃度が急に上昇すれば、副作用の1つである、めまいやふらつきが生じやすくなってしまうおそれがあります。
またカプセル剤の方も、カプセルの中にある粒を噛み砕かないようにと記載がされています。
こちらも徐放性が失われてしまうのを避けるためですね。
OD錠が存在しているので、カプセル剤での処方は減ってきていると思います。
タムスロシンは1日1回の服用でよい薬剤ですが、徐放性粒を含んだものとなっています。
服用歴が長い方でも、薬を口の中で溶かすときに、噛んでいないか確認が時々必要です。
まとめ
・タムスロシンOD錠は徐放性粒を含んだ錠剤である
・口腔内で噛み砕いて服用すると、徐放性粒が壊れて血中濃度が急激に上がるおそれがある
・タムスロシンは噛み砕いて服用しない