薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

ロコアテープ使用の注意点

ロコアテープ(有効成分:エスフルルビプロフェン・ハッカ油)は経皮吸収型のNSAIDsです。

 

エスフルルビプロフェンは、ラセミ体を形成するフルルビプロフェンのS体です。

S体が活性本体であり、有効成分のみを抽出したものとなります。

 

ヤクバンテープ・ゼポラステープ(フルルビプロフェン)を改良したものがロコアテープ(エスフルルビプロフェン)です。

活性本体が有効成分となっており、COX活性を強力に阻害します。

また基剤の工夫により経皮吸収性と組織移行性を高めたものになります。

 

強力な経皮吸収型NSAIDsですが、注意点もいくつかあります。

 

適応症は

変形性関節症における鎮痛・消炎

となっています。

膝関節や腰椎、頸椎、肩関節、股関節など全身の関節に使用ができます。

 

用法・用量は

1日1回、患部に貼付する。同時に2枚を超えて貼付しないこと。

と記載されており、1日2枚が上限となっています。

 

その理由についてですが、

ロコアテープ2枚を使用すると、フルルビプロフェンの経口剤(フロベン錠)と同程度の有効成分が体内へ移行します。

そのため、1日2枚を超えて使用すると、経口剤よりも多くの量が体内へ移行し副作用が生じてしまうおそれがあります。

こうした理由から1日の上限が2枚までとなっています。

 

また、

本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。

という記載もあります。

 

上記にもあるように、ロコアテープは有効成分が血液中へ移行する量が多い薬剤です。

経口NSAIDsなどと併用をすると、鎮痛成分の過量投与となり副作用のおそれがあるため、経口鎮痛薬との併用は原則避けるようにとされています。

 

NSAIDsの貼付剤との併用については特に記載がありません。

他の湿布剤との併用はできますが、必要最小限になるようにしておきましょう。

 

副作用では皮膚障害の他に、消化管障害や腎機能障害にも注意が必要です。

経口NSAIDsと同じくらいの血中濃度になるため、経口剤を使用したときと同様の注意が必要です。

 

プロスタグランジン合成阻害による、胃粘膜防御因子の低下や、腎血流量低下のおそれがあります。

消化性潰瘍のある方、重篤な腎障害のある方への使用は禁忌となっています。

長期使用する場合は、消化器症状など全身性の副作用にも注意をするようにしましょう。

 

 

  まとめ

・ロコアテープは経皮吸収性と組織移行性を高めた貼付剤である

・内服薬と同程度の血中濃度になるため、使用は1日2枚まで、他の経口NSAIDsとの併用は原則避ける

・経口NSAIDsと同じように全身性の副作用に注意する

 

 

 

 

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