薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

アミノレバンとリーバクトの違い

アミノレバンとリーバクトはどちらも分子鎖アミノ酸(BCAA)製剤です。

 

BCAA(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)には、必須アミノ酸の中で炭素骨格が直鎖ではなく分岐しているバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類が該当します。

どれも人の体では作ることができないものです。

 

肝機能が低下してくると、BCAAの需要が増え、BCAAが不足してくることが問題となります。

 

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BCAA製剤はこうした、体内で不足したBCAAを蛋白摂取量を気にせず補うことができる製剤です。

 

アミノレバンEN配合散はBCAAだけでなく、その他の不足しやすい栄養素も補うことができます。

 

  アミノレバンEN配合散

・BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)

・その他アミノ酸

・糖質

・脂質

・ビタミン

・ミネラル

 

などBCAAのみでなく、糖質、脂質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルといった5大栄養素も含んでおり、1包50gが213Kcalです。

 

 

  リーバクト配合顆粒

・BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)

 

こちらはBCAAのみを含んだ製剤で、1包4.15g中に約16Kcalしかありません。

 

 

食事の摂取量が低下しており、エネルギーが十分に摂れておらず栄養状態の悪い方にアミノレバンを使用することで、不足しているBCAAを補うとともに栄養状態を改善することができます。

 

反対に、通常の食事が摂れており栄養状態に問題が無い方にアミノレバンを使用するとカロリーが過剰になってしまいます。

食事が問題なく摂れている方にはBCAAのみを含むリーバクトを使用します。

 

そのため、適応症の書き方も異なっています。

 

【効能・効果】

アミノレバンEN配合散

 肝性脳症を伴う慢性肝不全患者の栄養状態の改善

 

リーバクト配合散

 食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善

 

リーバクトのみでは必要な栄養を補給することができないため、1日蛋白量40g以上、1日熱量1000kcal以上を食事等により摂取することと注意書きもされています。

 

また、肝機能が低下している方はエネルギーを肝臓に蓄えておくことができず、エネルギー不足となってしまうことがあります。

特に夕食後から翌日の朝食後までの間が、間隔が長くなるため影響が出てきやすいです。

エネルギー不足になると、夜間のこむら返りや翌朝の倦怠感に繋がってしまいます。

 

就寝前にアミノレバンのようなある程度のカロリー(約200Kcal)を含むものを摂取しておくことで、こうした問題をある程度改善することができると言われています。

就寝前に摂取をするので、カロリー過剰による肥満には注意も必要です。

 

アミノレバンEN配合散を飲みやすくする方法はこちらです。

  

  まとめ

・アミノレバンはBCAAだけでなく五大栄養素も含まれており、食事の摂取量が不十分な方に使用する

・リーバクトはBCAAのみの製剤であり、通常の食事が摂取できている方に使用する

 

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