薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

デュラグルチド(トルリシティ)を打ち忘れたときの対処

デュラグルチド(トルリシティ)はGLP-1受容体作動薬であり、半減期が108時間と長く、一度の使用で効果が一週間持続する「持続性GLP-1受容体作動薬」です。

 

GLP-1受容体作動薬はインクレチン関連薬の1つですが、それについては下記の記事でまとめましたのでご参照ください。

 

 

yakuzaishi-info.hateblo.jp

 

GLP-1が分解されにくいように構造を変化させ、さらに半減期が長くなるようにしたものがデュラグルチドです。

 

剤型は患者がインスリン製剤のように自分で皮下注射を行う、自己注射型の製剤となっています。

 

効果時間が長く、週に一度使用すればよい製剤ですが打ち忘れた場合はどうすればよいのでしょうか?

 

添付文書では以下のように記載されています。

 

「投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。

次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。

なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。」

 

つまり次の使用まで3日(72)時間以上の間隔があればすぐに使用し、それ未満であれば使用せず次の使用予定日まで飛ばすことになります。

 

毎週月曜日に使用している方が使い忘れて木曜日までに気付いた場合はその時点で使用し、予定の月曜日にもそのまま使用します。

 

金曜日以降に気付いた場合は月曜日まで3日以上の間隔があかないため使用せず1回分飛ばして、予定の月曜日に使用をします。

 

気付いた時点で注射した場合、次の使用は一週間後ではなく、予定していた日に使用することもポイントですね。

(月曜予定で水曜に使用した場合、次の使用は水曜ではなく予定通り月曜に行います。)

 

デュラグルチド(トルリシティ)はアテオスというペンに入った製剤です。

 

アテオスの名称は「当てて・押す」だけという使い方からきているようです。

使用方法は下記のようにシンプルなものとなっています。

 

・キャップを外し

・皮膚に注射面を当てて

・ロック解除し

・注入ボタンを押します

 

注意点は

注入終了のカチッという音がするまで待つこと(長くても10秒以内)

インスリン製剤同様に硬結を防ぐため、注射部位は毎回ずらすこと

といったことがあげられます。

 

注射部位はお腹、太もも、腕(上腕部)です。

 

冷所(2~8℃)での保管が必要ですが、室温(1~30℃)で放置してしまっても

4日以内であれば大丈夫です。

凍結は避けるようにしてください。

 

注射剤ですが週に1度だけ使用すればよいデュラグルチド(トルリシティ)は、患者の負担を大きく減らした製剤です。

 

忘れにくい曜日を設定して忘れずに使用していただきたいですね。

 

 

   まとめ

・打ち忘れた場合、次の使用まで3日(72)時間以上の間隔があればすぐに使用する

 ・気付いた時点で注射した場合、次の使用は一週間後ではなく、予定していた日に使用する

・次の使用まで3日(72)時間未満であれば使用せず次の使用予定日まで飛ばす

 

 

 

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