メトホルミン(メトグルコ)はビグアナイド系経口血糖降下薬(BG薬)です。
古くから2型糖尿病に使用されており、経済性にも優れており欧米では第一選択薬として用いられています。
作用機序についてはこちらです。
糖尿病治療で広く使用されているメトホルミンですが、長期使用によりビタミンB12が低下する可能性があると言われています。
原因は解っていませんが、メトホルミンとビタミンB12の低下には関連があることが報告されており、添付文書にも副作用の項目に「ビタミンB12減少」の記載があります。
定期的なビタミンB12の測定が早期発見に効果的ですが、毎回の検査項目に加えるのは難しいかもしれません。
しびれなどの末梢神経障害や貧血の症状が生じている患者がメトホルミンを長期的に服用されていた場合、その原因はビタミンB12減少である可能性もあります。
末梢神経障害は糖尿病により生じる場合(糖尿病性神経障害)が多く、それに比べてビタミンB12欠乏によるものは頻度が低いと思われます。
そして、ビタミンB12欠乏による末梢神経障害の場合、アルドース還元酵素阻害薬であるキネダック(エパルレスタット)の効果は期待できません。
長期間メトホルミンを服用されている患者がいる場合、可能性は低くても、頭の片隅にビタミンB12欠乏症の可能性があることを置いておくようにましょう。
メトホルミンによる乳酸アシドーシスについてはこちらです。
まとめ
・メトホルミンの継続服用でビタミンB12欠乏症が生じる場合がある
・長期間メトホルミンを服用している方で、末梢神経障害や貧血が生じた場合は、可能性は低いがビタミンB12欠乏症も考慮する