DPP-4阻害薬は、食事摂取に伴い消化管から分泌されたインクレチンであるGLP-1やGIPを分解する酵素であるジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)活性を阻害することで、インクレチン濃度を上昇させてインスリン分泌を促進します。
DPP-4阻害薬はインクレチン関連薬の1つです。
DPP-4阻害薬には
シタグリプチン(ジャヌビア/グラクティブ)
ビルダグリプチン(エクア)
アログリプチン(ネシーナ)
リナグリプチン(トラゼンタ)
テネリグリプチン(テネリア)
アナグリプチン(スイニー)
サキサグリプチン(オングリザ)
週一回服用製剤の
トレラグリプチン(ザファテック)
オマリグリプチン(マリゼブ)
があります。
DPP-4阻害薬の違いの1つに排泄経路の違いがります。
腎排泄型の薬剤では腎機能に応じての用量調節が必要になります。
排泄経路、腎機能ごとの用量について以下にまとめてみました。
・シタグリプチン(ジャヌビア/グラクティブ)
排泄経路:腎
尿中排泄率:79~88%
用法・用量:1日1回 1回25mg(最大100mg)
腎機能障害時の投与量:30<Ccr<50 25mg(最大50mg) 1日1回
<30 12.5mg(最大25mg) 1日1回
・ビルダグリプチン(エクア)
排泄経路:腎
尿中排泄率:22.7%
用法・用量:1日2回 1回50mg
腎機能障害時の投与量:中等度以上または透析中の末期腎不全患者 50mg 1日1回
重度の肝機能障害:投与禁忌
・アログリプチン(ネシーナ)
排泄経路:腎
尿中排泄率:67.7%
用法・用量:1日1回 1回25mg
腎機能障害時の投与量:30<Ccr<50 12.5mg 1日1回
<30 6.25mg 1日1回
リナグリプチン(トラゼンタ)
排泄経路:胆汁
尿中排泄率:約0.6%
用法・用量:1日1回 5mg
腎機能障害時の投与量:通常用量と同じ
テネリグリプチン(テネリア)
排泄経路:胆汁、腎
尿中排泄率:21.0~22.0%
腎排泄と胆汁排泄は1:1
用法・用量:1日1回 20mg(最大40mg)
腎機能障害時の投与量:通常用量と同じ
アナグリプチン(スイニー)
排泄経路:腎
尿中排泄率:49.87%
用法・用量:1日2回 1回100mg(最大1回200mg)
腎機能障害時の投与量:<30(Ccr) 100mg 1日1回
サキサグリプチン(オングリザ)
排泄経路:腎
尿中排泄率:15.8%
用法・用量:1日1回 1回5mg
腎機能障害時の投与量:<50(Ccr) 2.5mg 1日1回
以下は週一製剤です
トレラグリプチン(ザファテック)
排泄経路:腎
尿中排泄率:約76%
用法・用量:1週間に1回 1回100mg
腎機能障害時の投与量:30<Ccr<50 1回50mg 週1回
<30 1回25mg 週1回
オマリグリプチン(マリゼブ)
排泄経路:腎
尿中排泄率:約74%
用法・用量:1週間に1回 1回25mg
腎機能障害時の投与量:eGFR<30 1回12.5mg 週1回