トピラマート(トピナ)ははてんかん治療で使用されている抗てんかん薬です。
以前にトピラマートの作用機序についてまとめました。
今回は注意点などについてまとめておきたいと思います。
作用機序のところでも述べましたが、
適応症は
「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」
となっており、単剤では使用せず、他の抗てんかん薬と併用して使用されます。
用法用量は
成人には、1回50mgを1日1回又は1日2回。
以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200~400mgを2回に分割投与する。
症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgまで。
2歳以上の小児には、1日量1mg/kgで開始し、2週間以上の間隔をあけて1日量2mg/kgに増量する。
以後、2週間以上の間隔をあけて1日量2mg/kg以下ずつ漸増し、維持量として
1日量6mg/kgを投与する。
症状により適宜増減するが、1日最高投与量は9mg/kg又は600mgのいずれか少ない量までとする。
いずれも1日2回に分割して投与する。
このように増量の間隔にも注意が必要です。
トピラマートは腎排泄型の薬剤であるため、腎機能が低下している方では投与量に注意が必要です。
添付文書にはクレアチニンクリアランス(Ccr)が70ml/min未満の場合には投与量を半量にするなどして慎重に投与するよう記載されています。
腎排泄型の薬剤ではあるのですが、一部がCYP3A4で代謝されます。
CYP3A4を誘導する
・フェニトイン(アレビアチン)
はトピラマートの血中濃度を低下させるおそれがあります。
また、これらの薬剤を中止や減量をするとトピラマートの血中濃度が高くなってしまう可能性もあります。
トピラマートもフェニトインの代謝を阻害して血中濃度を上げるおそれがあります。
これらは抗てんかん薬であり、併用するケースの場合は注意が必要です。
多い副作用は、やはり抗てんかん薬ですので眠気、めまいがあります。
ふらつきによる転倒には注意が必要です。
以前にも触れたことがあるのですが、トピラマートには発汗減少という珍しい副作用が報告されています。
作用機序の1つである炭酸脱水素酵素阻害によるものと考えられています。
汗の量が減ってしまうので、あらかじめ水分をしっかり摂取しておくように指導します。
また、炭酸脱水素酵素阻害により腎・尿路結石の副作用報告もあります。
食欲への影響も報告されており、食欲が落ちたり、逆に亢進したりする場合があります。
まとめ
・トピラマートは単剤で使用せず、他の抗てんかん薬と併用して使用する
・腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下している患者は投与量を半分にするなど慎重に使用する
・一部がCYP3A4により代謝されるため、影響を与える抗てんかん薬との併用には注意する
・発汗減少、腎・尿路結石、摂食以上の副作用が報告されている。