薬剤師いんふぉ

薬剤師の学習記録です

レベチラセタム(イーケプラ)の用量について

レベチラセタム(イーケプラ)は新世代抗てんかん薬です。

 

その作用機序についてはこちらでまとめています。

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腎機能に応じて投与量や投与間隔の調整が必要になる薬剤です。

 

まず、

適応症

てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)

他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法

 

でした。硬直間代発作に使用する場合は原則単剤では使用せず、他の抗てんかん薬との併用療法となります。

 

用法用量

  成人

1日1000mgを1日2回に分けて経口投与する。

症状により1日3000mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として1000mg以下ずつ行うこと。

 

  小児

4歳以上の小児にはレベチラセタムとして1日20mg/kgを1日2回に分けて経口投与する。

症状により1日60mg/kgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として20mg/kg以下ずつ行うこと。

ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。

 

 

そして、成人の腎機能障害患者に投与する場合は、クレアチニンリアランス値を参考として投与量及び投与間隔を調節します。

また、血液透析を受けている成人患者では、クレアチニンリアランス値に応じた1日用量に加えて、血液透析を実施した後に追加投与を行います

 

     クレアチニンリアランス(mL/min)

   80<Ccr

 1日投与量  1000~3000mg 

 通常投与量  1回500mg  1日2回

 最高投与量  1回1500mg 1日2回

 

   50≦Ccr<80

 1日投与量  1000~2000mg

 通常投与量  1回500mg  1日2回

 最高投与量  1回1000mg 1日2回

 

   30≦Ccr<50

 1日投与量  500~1500mg

 通常投与量  1回250mg  1日2回

 最高投与量  1回750mg  1日2回

 

   Ccr<30

 1日投与量  500~1000mg 

 通常投与量  1回250mg  1日2回

 最高投与量  1回500mg  1日2回

 

   透析中の腎不全患者

 1日投与量  500~1000mg

 通常投与量  1回500mg  1日1回

 最高投与量  1回1000mg 1日1回

 

   血液透析後の補充療法

 通常投与量  250mg

 最高投与量  500mg

 

 

未変化体の尿中排泄率が56.3~65.3と高い薬剤ですので腎機能には注意が必要になります。

 

また、重度の肝機能障害のある方では、肝臓でのクレアチン産生が低下しており、クレアチニンリアランス値からでは腎機能障害の程度を過小評価する可能性があります。ですので、より低用量から開始するとともに、慎重に症状を観察しながら用法・用量を調節する必要があります。

代謝にCYPは関与しておらず、相互作用の心配は少ないのですが、肝機能が低下しているとこうした注意が必要になります。

 

 

 

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