リファジン(リファンピシン)の作用機序と食前服用について
リファジン(一般名:リファンピシン)は抗結核薬です。
規格
カプセル:150mg
適応症
肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症、ハンセン病
適応菌種
マイコバクテリウム属
用法用量
1回450mgを1日1回 毎日投与
感性併用剤のある場合は週2日投与でもよい
原則として朝食前空腹時に服用する
他の抗結核薬との併用が望ましい
・MAC症を含む非結核性抗酸菌症
1回450mgを1日1回 毎日投与
原則として朝食前空腹時に服用する
1日600mgまで
1回600mgを1ヶ月に1~2回又は1回450mgを1日1回毎日服用
原則として朝食前空腹時に服用する
他の抗ハンセン病薬と併用する
作用機序
リファンピシンは細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで、RNA合成を抑制し抗菌作用を発揮します。
DNAを読み取りRNA合成を行う酵素をDNA依存性RNAポリメラーゼといい、リファンピシンはこの酵素を阻害します。
食前投与の理由
リファジンは原則として朝食前空腹時の服用が望ましい薬剤となっています。
リファジンは食事により吸収が減少し、血中濃度が低下することが分かっています。
ですが、胃腸障害で空腹時の服用が難しい場合は、食後での服用も可能です。
吸収の低下はそこまで大きなものではなく、胃腸障害がある場合は食後に投与します。
リファジンによる着色について
リファジンを飲み始めると、尿や便、痰、汗、涙などが赤みがかることがあります。
リファジンやその代謝物の色によるもので、それ自体に問題はありません。
その影響でソフトコンタクトレンズを着用していると変色してしまうことがありますが、これについても問題はありません。
代謝酵素の誘導について
リファジンはCYP3A4を誘導する作用があります。
そのため多くの薬剤と相互作用が報告されています。
肺高血圧治療薬や脂質異常症治療薬、抗血栓薬、抗真菌薬、抗HIV薬、抗C型肝炎ウイルス薬などです。
リファンピシン服用開始後、2日ほどしてCYPの誘導が現われ、服用中止後もしばらく影響は続き、元の状態に戻るのに約2週間ほどかかると言われています。