カルボプラチン(CBDCA)は白金製剤に分類される抗悪性腫瘍薬です。
白金製剤は、構造中に白金(Pt)を含んでおり、DNA合成を阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。
シスプラチンとほぼ同等の効果を維持したまま、腎毒性や催吐作用の毒性を軽減した薬剤として開発されたのがカルボプラチンです。
カルボプラチンは腎排泄型の薬剤です。
シスプラチンのようなハイドレーションは必要ありませんが、腎機能を考慮して投与量を決定します。
カルボプラチンのクリアランスは糸球体濾過量(GFR)と相関関係があります。
投与量を決定する際に使用される計算式が、カルバート式です。
カルボプラチン投与量(mg)=AUC (mg/mL・min) × (GFR(mL/min) + 25)
目標AUCは前治療があるのか、単剤治療なのか等を考慮して決定されます。
GFR(糸球体濾過量)はCcr(クレアチニンクリアランス)で代用されることもあります。
GFRは125mL/minを上限とするようにされており、目標AUC=6場合は最大投与量900mgとなります。
シスプラチンの副作用である腎障害や悪心が軽減された薬剤ですが、骨髄抑制はシスプラチンよりも生じやすいとされています。
カルバート式を用いることで、副作用を考慮しつつ抗腫瘍効果が低下しすぎることも防ぐことができます。
カルボプラチンで注意すべき有害事象のアナフィラキシーについてはこちらです。