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ナルデメジン(スインプロイク)の作用機序と効果発現時間

ナルデメジン(スインプロイク)はオピオイド鎮痛薬によるオピオイド誘発性便秘症に用いられるお薬です。

 

オピオイド鎮痛薬にはフェンタニルモルヒネオキシコドン、トラマドールなどがあります。

 

 オピオイド鎮痛薬はNSAIDsのような鎮痛薬よりも強い鎮痛作用を示し、主にがん性疼痛のような強い痛みに対して使用されます。

 

オピオイド鎮痛薬は脳内のオピオイドμ受容体を刺激することで強力な鎮痛作用を発揮します。

 

このオピオイドμ受容体は消化管にも存在しており、腸管に存在する末梢のオピオイドμ受容体と結合すると腸管の蠕動運動が抑制され、腸液分泌の抑制、水分吸収が亢進して便秘が生じてしまいます。

 

三大副作用と言われる、便秘、悪心・嘔吐、眠気のうちの便秘はこのようにして生じます。

 

便秘の副作用はオピオイド鎮痛薬を使用した際に多くの方に生じてしまう副作用で、いつまでも続いてしまうことが多いです。

 

このオピオイド誘発性便秘症(OIC)を改善するために開発されたのがナルデメジン(スインプロイク)です。

 

ナルデメジンは腸管のオピオイドμ受容体にオピオイド鎮痛薬が作用するのを阻害することによって便秘を改善させます。

 

その一方、脳内のオピオイドμ受容体では阻害しないため、鎮痛効果に影響が出ることはありません。

血液脳関門の透過性が低くいので、脳内で作用せず消化管でのみ作用をします。

 

このような作用機序により、ナルデメジンはオピオイド誘発性便秘症を改善してくれます。

 

では、ナルデメジン服用後どのくらいで効果は現れるのでしょうか?

 

メーカーの資料では、初回投与後最初の自発排便までの時間の中央値は約4.7時間でした。

また、初回投与後最初の残便感を伴わない自発排便までの時間の中央値は約24時間だったそうです。

 

治療効果の判定期間ですが、オピオイド誘発性便秘症(OIC)の治療目標として「3~7日で評価する。患者の生活習慣に合わせた便通があり、満足していることを目標とする」といったものがあります。

 

オピオイド鎮痛薬による便秘の副作用は必発とも言われており、困っている方が多いです。

 

ナルデメジンはこのオピオイド誘発性便秘症を改善する新しい作用機序の薬剤です。

 

 

   まとめ

・ナルデメジン(スインプロイク)はオピオイド鎮痛薬によるオピオイド誘発性便秘症を改善する

・腸管のオピオイドμ受容体にオピオイド鎮痛薬が作用するのを阻害する

 ・脳内のオピオイドμ受容体では阻害しないため、鎮痛効果に影響が出ることはない

 

 

 

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