ゾニサミド(エクセグラン)、トピラマート(トピナ)は、抗てんかん薬の一種ですが副作用に発汗減少が報告されている薬剤です。
抗てんかん薬の副作用といえば眠気やふらつき、倦怠感などがありますがゾニサミドとトピラマートは発汗減少という珍しい副作用が報告されています。
汗が出にくくなってしまうと体温が上昇しやすくなってしまいます。
夏期にこのような状態が起こると熱中症を起こす危険性があります。
ゾニサミド(エクセグラン)による発汗減少の作用機序について詳しく解明はされていませんが、ゾニサミドによる汗腺の発汗機能の抑制によるものではないかと考えられています。
この発汗減少は可逆的なものであり、減量、中止をすると軽快、回復が認められています。
小児での報告が多く、小児に使用する場合は体温上昇に特に注意が必要です。
またパーキンソン病治療薬のトレリーフはエクセグランと同成分のゾニサミド製剤であり、使用する場合はやはり同様に発汗減少の副作用が生じるおそれがあります。
トピラマート(トピナ)の発汗減少は汗腺において炭酸脱水酵素の阻害作用により汗の生成を阻害していると考えられています。
こちらも小児の方が成人よりも生じやすいとされており注意が必要です。
トピラマートは弱いながらも炭酸脱水酵素の阻害作用を有するため、クエン酸塩の尿中排泄量の減少と尿pHの上昇を引き起こすことにより腎・尿路結石の副作用報告もあります。
腹部痛が生じた際は、この副作用も疑われます。
結石が生じやすい患者にトピラマートが投与された場合は、水分を十分に摂るよう指導します。
発汗減少の副作用も、あらかじめ水分を補給することにより症状が緩和される可能性があると言われています。
夏期に使用する場合は体温の上昇に注意し、高温条件下での作業を避けるようにします。
万が一、熱中症になってしまった場合はすぐに体の冷却や対症療法など適切な処置を行います。
まとめ
・ゾニサミド(エクセグラン)、トピラマート(トピナ)は副作用に発汗減少が報告されている
・あらかじめ水分を補給しておくようにする
・夏期に使用する場合は、高温での作業は避けるようにする