リナクロチド(リンゼス)は便秘型の過敏性腸症候群の治療薬として使用されている薬剤です。
過敏性腸症候群(IBS)は、腸の器質的な変化を伴わずに、便通異常(下痢、便秘)や腹痛を主症状とする消化器症状が長期間続いたり再燃・寛解を繰り返す疾患です。
過敏性腸症候群の診断にはローマⅢ基準が用いられます。
大きく便秘型、下痢型、両方を繰り返す混合型に分類されます。
そしてリナクロチド(リンゼス)は便秘型の過敏性腸症候群に有効とされています。
リナクロチドは腸管上皮細胞表面に存在するグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激します。
すると腸管内のcGMP濃度が高まり水分が腸管内へ分泌されるようになり腸の蠕動が活発になります。
さらに求心性神経の痛覚過敏を抑えることで腹痛や腹部不快感を改善してくれます。
リナクロチドは便通だけで無く、痛みや不快感も改善してくれる薬なのですね。
ではリナクロチドの用法についてみていきましょう。
用法及び用量
通常、成人にはリナクロチドとして0.5mgを1日1回、食前に経口投与する。
なお、症状により0.25mgに減量する。
用法が食前となっていますね。
その理由は、リナクロチドを食後に服用すると下痢の発現率が高かったからです。
食後に服用すると薬の効果が高く下痢を起こすことが判っているからなのですね。
空腹時である食前や眠前に服用する必要があります。
またリナクロチドは防湿及び乾燥機能を有するアルミ包装により品質保持をはかっており、服用直前に錠剤を取り出すこととし、無包装状態、あるいは別容器に移しての保存はしないことと添付文書に記載されています。
一包化や粉砕化ができない薬剤となります。
このようにリナクロチドはグアニル酸シクラーゼC受容体アゴニストであり、他の便秘薬とは異なる作用機序を持ちます。
処方がされた際には用法が食前となっているかまず注意をするようにしましょう。
まとめ
・リナクロチド(リンゼス)は食前に服用する薬剤である
・食後に服用すると下痢の発現率が高くなってしまう
・服用直前に包装から取り出す