ファンギゾンシロップはカンジダを殺菌し、口腔内や食道など消化管カンジダ症を治療する薬です。
有効成分はアムホテリシンBでポリエンマクロライド系抗真菌薬に分類されます。
適応は「消化管におけるカンジダ異常増殖」です。
作用機序についてです。
アムホテリシンBが真菌の細胞膜構成成分であるエルゴステロールに結合します。
すると膜障害を起こし、細胞質成分が漏出し、その真菌を死滅させます。
ファンギゾンシロップは内服薬ですが、服用しても腸管からほとんど吸収されないため、適応は消化管のカンジダ症で全身性の真菌症では注射薬を使用します。
オレンジ色の懸濁液で、オレンジのような臭いがして味は甘いそうです。
用法は
小児に対し1回0.5〜1mL〔アムホテリシンBとして50〜100mg(力価)〕を1日2〜4回食後経口投与する。
となっています。
用法が「小児に対し」とされていますが、成人に使用されることもあります。
では飲み方についてみていきましょう。
服用する前に、容器を振り混ぜて均一な懸濁液としてから服用します。
ファンギゾンシロップの容器にはスポイトが付いており、それで1回の量を測り取ります。
スポイトで吸い上げたシロップを口腔内に含みます。
口腔内に含んだら、舌で患部に広く行き渡らせ、できるだけ長く含んだ後、嚥下します。
15~30秒間は口に含むようにし、十分な長さ含んだら飲み込みます。
その後も1時間くらいは、うがいや飲食は控えるようにしましょう。
薬が口腔や咽頭に付いて効果を発揮するので、できるだけ薬が作用しやすいように上記の点に注意をします。
歯の黄変が認められることがありますが、ブラッシングで簡単に除去できます。
シロップは水で薄めて使用するように指示される場合もあります。
褐色バイアル瓶での保存では、50倍希釈で2週間安定。100倍希釈では1週間安定でした。
透明バイアル瓶でも50倍希釈で2週間安定でした。
ファンギゾンシロップの貯法は遮光保存となっており、褐色の瓶に入っています。
同じく口腔・食道カンジダ症に使用されるフロリードゲル(成分:ミコナゾール)については以前にまとめました。
ファンギゾンシロップはフロリードゲルと違って、併用禁忌薬や併用注意の薬剤は特に無いようです。
直接患部へ薬を作用させるため、このような注意点がありました。
服薬指導の際にはこれらの点について理解をしてもらわなくてはいけません。
まとめ
・服用する前に、容器を振り混ぜて均一な懸濁液としてから服用する
・スポイトで吸い上げたシロップを口腔内に含む
・口腔内に含んだら、舌で患部に広く行き渡らせる
・15~30秒間は口に含むようにし、十分な長さ含んだら飲み込む
・その後も1時間くらいは、うがいや飲食は控えるようにする
・歯の黄変が認められることがありますが、ブラッシングで簡単に除去できる