ガスモチン(一般名:モサプリド)は消化管運動機能改善剤です。
規格
錠剤:2.5mg、5mg
散剤:1%散
適応症
・慢性胃炎に伴う消化器症状(胸焼け、悪心・嘔吐)
・経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助
用法用量
・慢性胃炎に伴う消化器症状(胸焼け、悪心・嘔吐)
1日15mg 分3 食前又は食後
・経口腸管洗浄剤によるバリウム注腸X線造影検査前処置の補助
経口腸管洗浄剤の投与開始時に、20mgを経口腸管洗浄剤(約180ml)で服用
また経口腸管洗浄剤投与終了後、20mgを少量の水で服用する
作用機序
モサプリドは選択的セロトニン5-HT4受容体刺激薬です。
消化管内の神経叢(アウエルバッハ神経叢)に存在する5-HT4受容体をモサプリドが刺激し、アセチルコリンの遊離が増大します。
アセチルコリンは平滑筋の運動を高め、これにより消化管の運動が活発になり、胃排泄速度も上昇します。
上部消化管、下部消化管両方の運動を改善します。
副作用
副作用は比較的少ないですが、消化管の運動が活発になる影響で下痢や軟便、腹痛が生じる場合があります。
また、重篤な副作用として劇症肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されています。
死亡に至った例もあり、その後も重篤な肝機能障害の報告が減らないことから、添付文書の「重要な基本的注意」に追記されました。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるため、長期に渡って漫然と投与しないこと、と記載されています。
服用後に、倦怠感、食欲不振、尿の色が濃くなる、白目が黄色くなる等の症状が現われた場合はすぐに申し出るように指導します。
漫然投与について
ガスモチンを慢性胃炎に伴う消化器症状に使用する場合は、一定期間(通常2週間)投与後、消化器症状の改善について評価し、投与継続の必要性について検討します。
2週間を超えて処方がされていた場合、疑義照会を行い医師に継続の必要性を確認します。
期間が2週間と設定されている理由ですが、ガスモチンの臨床試験では投与期間を2週間として効果判定を行い、その期間で一定の効果があり承認されました。
ですので、ガスモチンを継続して処方する際は2週間を目安に自覚症状の確認を行い、効果を評価します。
中止により再び自覚症状が現われてしまうので、長期の服用が必要なケースもあります。
継続が必要なケースか確認が必要です。